小さな探偵くんは知りたがり

「お姉さんって安室さんとどういう関係なの?」と首を傾げたコナンくんに「どう…とは…?」と助けを求めるように安室さんを見てしまった。困ったような顔で笑ってから「友達ですよ。ね、香澄さん」と言ってくれて、そういう返事で良いのかと変に納得した。

「外で会ったら安室と呼んでくれ」と降谷さんに言われたのは少し前の話。危ないことに私を巻き込まないためには必要なことなのだと言う降谷さんに一も二もなく頷いた。そんな中、やってきた喫茶店でいらっしゃいませ!と元気に私を迎え入れてくれた店員さんを見てぽかんとしてしまった私は既に店内にいた小さな男の子から質問攻撃を受けることになってしまったのだ。

「友達なの?じゃあどうしてお店に入ってきて安室さんを見てびっくりしたの?」と更に質問を続けるコナンくんに「だってここにいるって知らなくて…」と苦笑いで答える。これは本当のこと。だって本当に知らなかったから驚いたんだもの。

「安室さんとどこで会ったの?いつからお友達なの?」と全く引く様子の無いコナンくんに「え、ええ…っと、」とたじたじになっていれば「コナンくん、あんまり彼女を困らせないでくれるかな。僕の大事な人なんだ。お店に来て貰えなくなったら困るだろう?」と安室さんがコナンくんを窘めてくれる。助かった。

ホッと息を吐いてから「質問、ちゃんと答えられなくてごめんね」とコナンくんの頭をそっと撫でれば、不満そうな顔をしながら「僕も、いっぱい聞いちゃってごめんなさい…」と謝ってくれた。「ううん。いいの。今度はコナンくんのお話を聞かせて欲しいな」と笑いかければ「僕?」と可愛らしく首を傾げて私を見る。

「うん。折角だし、コナンくんともお友達になりたいな」と握手を求めて手を差し出せば「う、うん…」と驚いたような顔で私の手をきゅっと握ってくれる。「ありがとう。じゃあ早速質問!コナンくんの好きなケーキは?」とメニューを差し出せば「えっ!?」と驚いた顔で私とメニューを交互に見て「い、いいよ…!」と焦ったように首を横に振る。

たったこれだけで私が何をしようとしているかを理解するなんて賢い子だなぁ…と思いながら「でも、勝手に食べさせたら親御さんに怒られちゃうか。ごめんね」と申し訳無さそうに謝れば「お、こられたりは…ないけど…」とコナンくんも困ったように眉を下げる。

「じゃあ、半分こしよう。今日はコナンくんの好きなケーキで、次は私の好きなケーキ!ね?お友達の印!」と笑ってコナンくんのまん丸の頭を撫でてあげれば「……うん。ありがとう、香澄お姉さん」と可愛らしく笑ってくれた。その後、コナンくんの好きなケーキを一緒に食べてお店を出た私に届いたのは降谷さんからのメッセージ。

『コナンくんに何か聞かれたら僕に聞くように言っていいよ』と書かれていて『何かって、どういうことですか?』と返せば『小さな探偵くんは知りたがりだから』と返ってくるから、まあ確かに矢継ぎ早に質問されたなぁ…とぼんやり他人事のように思いながら帰路に着いた。
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