目の前の人が一番危ない気がします

「細かい説明は色々端折りますが、あなたの巻き込まれた事件がかなりヤバめの事件と関係がありまして、あなたに護衛を付けることになりました」と安室さんからニコリと笑って宣言された。最初から最後まで何を言ってるか分からない。

「えっと…?死ねと言うことで…?」「どこでそうなったんですか。話聞いてました?」と安室さんの本気の呆れ顔に悲鳴が零れた。今の顔めっっっちゃ怖かった!!美人の呆れ顔怖い!!

ガクブルと震えながら「ごめんなさい…全然聞いてなかったというか全く理解できなくて話入って来てないです…」と両手で顔を覆ってしくしく泣く。どうして…どうしてこんな事に…と泣き言を零す私に「大事なことだけ言います。よく聞いてください」と安室さんが言うから、そろりと顔をあげると綺麗な人差し指が一本立てられる。

「一つ目、あなたは今ヤバい奴らに狙われてます」「いっそ殺してください」「何でそうなるんですか」と安室さんがため息を吐く。続いて中指が立てられて、指が二本になり「二つ目、あなたが危険な目に遭わないように護衛を付けます」と聞き慣れない言葉が飛んでくる。

「ごえい…」「そうです。僕が良いというまで、基本的にはその人と行動を共にしてください。決して一人にはならないように」「えっっ…怖い……」もしかして本当にヤバいんですか?と目を丸くする私に「だから最初にヤバいって言ったでしょう…」と安室さんが額を押さえる。

そして薬指が立てられて、指が三本になる。「三つ目、僕たちがあなたを絶対に守ります。詳しいことは話せませんが、手放しで僕たちを信じて欲しい」と真っ直ぐな目に見つめられて、両手をぎゅっと握られる。

「わ、わかりました!分かりましたから手離して!刺される!」とぎゃあぎゃあ騒ぐ私に安室さんは「本当に分かってます?」と怪訝な顔をする。「わ、分かってますよ…!よく分かんないけど守ってくれるんですよね!?ヤバい奴だけじゃなくて、ついでにイケメンのガチファンからも守ってください!」とめそめそする私に安室さんがふは、と吹き出す。

「あはは!分かりました。誠心誠意、あなたを守らせてもらいます」とぱちりとウインクした安室さんに「〜〜ッそういう!事を!軽率に!しないでください!!」と抗議の声を上げてだんだんとベッドを叩いた。

「という事で、あなたの護衛です」「や!よろしくな」「きゃーー!?よりにもよって何で諸伏さん!?こういうのって同性なんじゃないの!?女の人じゃないの!?」「ヤバい奴が思いのほかヤバいから腕っ節が立つ奴じゃないと…ってことで俺になったんだ」「現状一番ヤバい奴が目の前にいるじゃん!!」
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