最近、自宅の人口密度が高い。それもこれも「全てはあなた達のせいです。お帰りください可及的速やかにサヨナラ」と玄関を指差すけれど、当の本人たちは何処吹く風。あなた達は一応客人ですよね?どうしてそんなに寛いでるの?
「おい家主、さっさと座れよ」「態度でかいな??ここって松田さんの家でしたっけ??」とソファに我が物顔で座る松田さんを見て肩を落とす。「俺の膝来る?」「は??床でもどこでも座るところが山ほどあるのにどうしてわざわざ萩原さんの膝に??」とニコニコ笑う萩原さんを切り捨てて諸伏さんを見る。
「何でご招待しちゃうんですか何で招き入れちゃうんですか!!」と抗議の声を上げる私に「だってチャイム鳴ったから…」と諸伏さんがきょとんとする。「チャイム鳴ったら誰彼構わず入れて良いと思ってます??危機管理能力が小学生以下!!」と絶望の声を上げた私を見て松田さんと萩原さんがけらけら笑う。
誰のせいだと思ってるんですか、あなた達。「マジでもう……何しに来たんですか……」と項垂れながら尋ねれば「香澄ちゃんが諸伏ちゃんに気を許してきたって聞いて」「はい??」「まあ慣れたらいけるかなって」「何が??」「コイツらも香澄ちゃんともっと仲良くなりたいんだよ」「何で??」と全ての質問の意味が分からずに首を傾げる。
もう傾げすぎて一周するかもしれない。むしろ一周して人間さえ止めてしまえばワンチャン…?と狂気的なことを考えながら何度目かのため息を吐く。「気を許した覚えは無いですし、一生慣れないし、仲良くもなりません」と返していれば諸伏さんがコーヒーを入れて持ってきてくれる。
「はい、香澄ちゃん」「あ、ありがとうございます」と受け取って一口飲んでからはたと気付く。「これだよコレ!!ナチュラルに生活に侵食されてる!!びっくりした!!」と叫べば「気付いて無かったのかよ」「ココ最近ずっとそんな感じだったから羨ましくってさぁ〜」と二人が笑うからバッと諸伏さんを見る。
「わ、私…外でもこんな感じですか…?」と恐る恐る尋ねれば「まあ、比較的?」と諸伏さんがへらりと笑う。「おわった…もうおわった…」と顔を覆った私に「大丈夫だって。香澄ちゃんが刺されないように俺たちが一緒にいるからさ」と萩原さんが笑って背中を撫でてくる。
「それ絶対外で言わないでくださいね」「家ならいいの?」「屁理屈って言うんですよ、それ」「外で言わなきゃ意味ねぇだろ」「何で目に入る者全員敵に回そうとするんです?」「あ、今ので敵になる人がいるんだ」「知ってます?生きた人間の興味関心嫉妬が一番怖いんですよ」「説得力がちげーや」