今日の幼女は、萩原が用意した水色のお姫様を思わせるふわふわドレス。松田が綺麗に編み込んでくれた髪の毛はふわふわのくるくる。「可愛いお姫様ね」とスタッフの人達に沢山褒められて幼女は大層ご満悦な笑顔を浮かべている。
「かすみちゃんかわいいって!」と嬉しそうに見上げてきた幼女の前に膝を着いてしゃがみ込んだ萩原が「いつも可愛いけど今日はとびきり可愛いもんね。俺のことも一緒に連れてきてくれてありがとう、お姫様」と幼女の小さな手を取って手の甲にちゅっとキスを落とすフリをする。
「ひゃぁ〜!けんちゃんおうじさまみたいね!」と頬を染めてぴょんぴょんと飛び跳ねる幼女に「ほんと?俺の事、香澄ちゃんの王子様にしてくれるの?超嬉しい」と萩原が笑うから「かすみちゃんもちょううれしぃ…」と小さな手で頬を押さえた幼女が照れたように笑う。
「は〜〜〜可愛い〜〜〜」と幼女をぎゅううっと抱き締める萩原はもうメロメロだ。「何してんだ、お前ら」と呆れ顔で帰ってきた松田の手には幼女が所望したアイスクリーム。「あ!あいす!じんぺーくん!あいす!」と先程までの照れはどこへやら。
たちまち食欲へと意識がシフトチェンジした幼女が萩原の腕の中でじたばたと暴れ出す。器用に腕の間をすり抜けて松田の足元にぺちょりと張り付いてくる幼女に「分かった分かった。ほら、ちゃんと座んねーとやらねぇぞ」と言えば「すわる!けんちゃん、すわらせてぇ」とベンチの前で幼女が手を広げる。
「仰せのままに、お姫様」と小さな体をベンチに座らせれば「すわった!じんぺーくんすわったよ!」とキラキラした瞳が松田を見つめる。そんな姿にふっと笑みを浮かべた松田が「ん、ちゃんと持って食えよ」とカップに入ったアイスを幼女に渡そうとするけれど頑なに受け取ろうとしない。
「ほら、アイス食うんだろ」と受け取るように促すと幼女は「じんぺーくんあーんしてぇ」と小さな口をぱかりと開けて松田を見る。ほんの一瞬驚いたように目を見開いた松田だったが「…ったく、しょうがねぇな」と柔らかく微笑んで幼女の隣に腰掛ける。
スプーンですくったほんの少しの一口。「香澄、あーん」とそのスプーンを差し出せば、ぱくりと幼女がアイスを頬張った。「うまいか?」「んまぁい!」「香澄ちゃん、うまいじゃなくておいしい、だよ」「おいしい!」「いい子だね。ちょっと陣平ちゃん、言葉遣い気をつけて」「気にしすぎだろ。母親か」「じんぺーくんあいすちょーだぁい」「はいはい。ほら、口開けろ」「あー…ん!んまい!」