料理が苦手な香澄ちゃんが諸伏のために頑張って夜ご飯を作るんだけど全然美味しくなくて、諸伏には食べさせられないから帰って来た諸伏に「私の分作らなくていいから!」って言ったら「え、俺香澄ちゃんが作ったやつがいい」って言われて「絶対ダメ!」って止めるんだけど頷いてくれない。
「美味しくないし、焦げちゃったし…ほんと、私が責任持って食べるから!」ってどれだけ言っても「やだ。じゃあ俺今日ご飯作んない」って言って引き下がってくれなくて「〜〜ッやだって言ってるじゃん!何で意地悪するの…!?」って声を荒げてぽろぽろ泣いちゃう。泣かせたかったわけじゃないから諸伏もびっくりしちゃって慌てて香澄ちゃんを抱き締める。
「ごめん、違うんだ、泣かせたかったわけじゃなくて…!」って背中を撫でれば「どうせ、ヒロくんみたいに上手じゃないもん…!料理も出来ない彼女なんてすぐ嫌いになるもん、」って支離滅裂な事を言って泣いてる香澄ちゃんに何となく違和感があって「香澄ちゃん、誰かに、何か言われた?」って聞いたらぐすぐす鼻を啜るばっかりで何も言わなくなるからビンゴだなって一人頷く諸伏がいる。
「俺、香澄ちゃんが美味しいってご飯食べてくれるところを見るのが好きだよ」って言って頭を撫でれば香澄ちゃんの肩がピクリと微かに動く。そのままあやすように背中を撫でて「香澄ちゃんが料理出来ても出来なくても、俺が作ったご飯を美味しいって食べてくれる香澄ちゃんが見たいって思うんだ」って優しい声で言う。
香澄ちゃんの頬を両手で包み込んで「料理を作る時に一番大事な事ってなんだか知ってる?」って聞けば「…わかんない」ってぐすぐす鼻を鳴らしてるから「美味しいって思って欲しいっていう気持ちだよ」ってくすくす笑いながらちゅってキスをする。
「いつも香澄ちゃんに美味しいって思ってもらえますようにって思いながら作ってるよ。香澄ちゃんも、俺に美味しいって思ってもらうために頑張ってくれたんだよね?」って言われてこくん、と頷けば「じゃあ絶対美味しいじゃん。大丈夫だよ」って諸伏が微笑むから涙が溢れてくる。
「ほんと…?わたしが、料理下手くそでも、嫌いにならない…?」って泣きながら香澄ちゃんが聞けば「なる訳ないじゃん。ずっと大好きだよ」って笑った諸伏が香澄ちゃんの額にキスを落とす。
「香澄ちゃんが作ったご飯、食べてもいい?」って首を傾げた諸伏に「…うん、たべてくれる…?」って恐る恐る言えば「勿論。俺のために作ってくれてありがとう」って嬉しそうに笑われる。
絶対に美味しくないのに「え、美味しいよ?」って不思議そうな顔をしながらもりもり食べてくれる諸伏に嬉しくてまたぽろぽろ泣いちゃう香澄ちゃんがいるよ。