勝手に死ぬなんて許さねぇ

※痛い表現アリ※いろいろ注意※

ナイフを振り回してた男が松田に向かって行くのが見えて反射的に間に入っちゃう。腹部を襲う痛みと熱を無視して犯人の手ごとナイフを掴んだ香澄ちゃんが「に、げら…っれると、おもわないで、」って言うから男が「ぅ、わぁぁああ!」ってたじろぐ。

その一瞬の隙を松田が見逃さないはずもなく男が取り押さえられたのと同時に香澄ちゃんの体が崩れ落ちる。「ッ香澄!!!」って悲鳴にも似たような松田の声が響いて「香澄!!まだ寝んなよ!!ッおい救急車!!早くしろ!!」って松田が香澄ちゃんの腹部を自分のスーツの上着で押さえつけながら叫ぶ。

「…ぅ、ふ…っ、ぅっ…ぁ、」って痛みに顔を歪める香澄ちゃんに「な、んで庇った!?チッ…!クッソ…!ふざけんなよ!!勝手に死ぬなんて許さねぇからな!!」って松田が怒鳴るけれど香澄ちゃんの顔色はどんどん悪くなるし、腹部から溢れる血は止まらない。

かちかちと歯を鳴らして震え出した香澄ちゃんを見て最悪の想像が頭をよぎってしまって「ふ、ざけんな…ッ!ふざけんなよ!死ぬな、たのむから、おい香澄!!!」って松田の声が震える。

病院に運ばれて処置が終わってベッドで眠る香澄ちゃんの傍からずっと離れようとしないから「陣平ちゃん、せめて着替えてきな。俺が見てるから。な?」って萩原が声をかける。

不安そうに揺れる泣きそうな目を初めて見て「大丈夫だって。香澄ちゃんが陣平ちゃんのこと置いてく訳無いっしょ」って背中をとん、と叩けばふらふら立ち上がってべったりと血が付いたスーツを見下ろして「…ハッ、ひっでぇ格好だな」って自嘲気味に笑った松田が病室を出ていく。

香澄ちゃんのことも心配だけど、あんなにも弱った松田を見るのが初めてだった萩原としては松田を一人にしておくのも憚られて「……香澄ちゃん、早く起きてくんないと陣平ちゃんがダメになっちまうよ」って香澄ちゃんの頬を人差し指の背中でそっと撫でるんだよね。

それから目を覚ました香澄ちゃんに「二度とあんなことすんじゃねぇ!!俺がどれだけ心配したと思ってんだ!!」ってぼたぼた大粒の涙を流しながら松田が怒鳴るから、初めて見る松田の涙に驚きながら「…ご、ごめん…」って謝る香澄ちゃんがいる。

松田が危ないと思ったら香澄ちゃんは反射的に体が動いちゃうし、逆に香澄ちゃんが危ないと思ったら松田も反射的に体が動いちゃう。
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