全部、俺のものにしたい

萩原とお付き合いを始めたものの、どうしても過去の女の子がチラついちゃって本当に私で良いのかなと思わずにはいられない香澄ちゃんの頬を両手で包み込んでじわじわと攻めるような深いキスをして「これは、本気の子にしかしないキスだから」って言ってくるからドキドキして涙が零れる。

「俺、めっちゃ本気なんだけど、どうしたら伝わる?」って鼻先が触れるくらいの距離で見つめられて視線を逸らそうとするんだけど「ねえ、香澄ちゃん。目、逸らさないで」って言われてきゅうっと喉を鳴らす。

「俺の好きって気持ち、伝わってる?」って頬をすりすり撫でられるから「つ、つたわってる、つたわってるから…っ、ちょっとはなれて…!」って真っ赤な顔で抗議の声を上げると「うそつき。ほんとに私でいいのかな、とか思ってるでしょ」って言われてビクリと肩が跳ねる。

「図星だ」って萩原がくすくす笑うと鼻先が擦れてくすぐったくなる。「俺、香澄ちゃんのこと、ほんとに大好きなんだよ」って笑った萩原がちゅって唇を重ねて「大好きすぎて全部俺のものにしたいの」ってまたちゅって唇を重ねてくる。

「香澄ちゃんが俺以外に意識を割いてるって思ったらヤキモチでどうにかなっちまいそう」ってギラついた目で見つめられて、噛みつくようなキスが降ってくる。下唇を食むようにして唇が重ねられて、ゆっくりと舌が入ってくる。

じわり、じわりと浸食されるような甘いキスに、萩原のことしか考えられなくなる。本気の子にしかしないキス。特別なキス。そう思ったら頭がクラクラして、気持ちよくて、嬉しくて。ぽろぽろと零れた涙すらも、勿体ないと言わんばかりに萩原の舌が攫って行く。

「言ったでしょ。全部、俺のものにしたいって」ってふっと微笑んだ萩原の首に恐る恐る手を回して「いらないって、いわないですか…?」って震える声で聞けば、萩原が目を見開く。それから、眦を下げてどろりと甘く笑って「返してって言われても返してあげない」って唇に噛みつかれる。

後頭部の手が、逃げることを許してくれなくて、呼吸が奪われる。キスの合間に注がれる愛してるの言葉が、全身に回ってびりびりと痺れるような感覚に襲われる。「すき、だいすき…っ、萩原さんっ、すき、」って縋るように抱き締める手に力を込めれば「ははっ、かぁわいい」って笑った萩原からの愛が心を震わせた。
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