俺の名前、呼んで?

友人から彼氏になった萩原を名前で呼びたいけど恥ずかしくて毎度「け、けん……〜ッ、は、萩原くん…!」ってなっちゃう香澄ちゃんと、その葛藤に気付いてるけど毎度顔を真っ赤にしてわたわたしてるのが可愛いから「ん?なぁに、香澄ちゃん」って突っ込まずに様子を見守ってる萩原。

確かに名前で呼んでもらえたら嬉しいし、せっかく付き合えたんだから名前で呼んで欲しいな〜…と思ってはいたものの、それが理由でぎこちなくなっちゃうくらいなら香澄ちゃんのペースに合わせればいっか〜!と思っていたのに、まさか香澄ちゃんの方から名前で呼ぼうとしてくれるとは思わなくてご機嫌の萩原がいる。

「け…っけ…、」って最初の音は言えるのに「ん?」って視線を向けると一気に顔を真っ赤にして「〜〜ッな、なんでもない!!」って言って俯いちゃう香澄ちゃんが、あまりにも分かりやすすぎて可愛い。

でも本人が呼びたいと思ってくれているなら、萩原からガンガン押しても行けるのでは?と思ってしまって、香澄ちゃんにニコニコしながら近付いた萩原が香澄ちゃんの手をぎゅっと握る。

「ねえ、香澄」ってわざと呼び捨てで名前を呼んで「俺の名前、呼んで?」って微笑みかければ「ぅぇ…っ、えっ、ぁ…っ、」って真っ赤な顔でどもっちゃう。ぱくぱくと口を開けたり閉じたりさせながら視線をうろうろ彷徨わせてる香澄ちゃんに「香澄、こっち見て。俺の名前、呼べるでしょ」ってさっきよりもちょっと強めに言えば、ビクッと肩を揺らして泣きそうな顔で萩原を見てから「ぁ…ぅあ…〜〜ッ、けん、け…っ、けん…じ、くん…」って震える声で名前を呼ばれる。

たかが名前、されど名前。香澄ちゃんに呼ばれただけでたちまち特別な物に思えてしまうほどの衝撃に萩原は言葉が出ない。目を見開いて固まっちゃった萩原に「えっ、あ…っ、あの、研二…くん…?」って香澄ちゃんがもう一回名前を呼ぶから堪らずに唇を重ねる。

唇を重ねては、離して、戸惑う香澄ちゃんに「名前、呼んで…っ、」って言いながら何度もキスをする。「んぅ…っ、ん…っ、けん…っじ、くん…っ、け、ん…ふぁっ、」って必死に名前を呼びながら縋り付いてくる香澄ちゃんに我慢ができずに何度も何度も唇を貪る。

唇が離れてへろへろになった香澄ちゃんが「研二くん、すき」って蕩けた声で言うから「おれもだいすきだよ、香澄ちゃん」って微笑んでキスをする。
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