手遅れになったらどうすんだよ

※痛い表現アリ※いろいろ注意※

首筋にバチリと押し当てられた熱に意識を失って目が覚めたら真っ暗な寒い所に閉じ込められてた香澄ちゃん。どれだけ叫んでも、どれだけ壁を叩いても全然ダメで「ゃ、ゃだ…っ、なんで、だれか、たすけて、」って膝を抱えてぽろぽろ泣いちゃう。

降谷たちが駆け付けた時には真っ青な顔で倒れてる香澄ちゃんがいるから「〜〜ッ香澄!!!」って悲鳴に似たような皆の叫び声が響き渡る。バタバタと駆け寄った降谷が香澄ちゃんの体を抱き起こすけど、体は驚く程に冷たくて、呼吸も浅くて、本当に生きているのか分からないほどに顔色も悪くて、ゾッとする。

今すぐにでもここから出してあげないといけないのにパニックになっちゃって「香澄…、香澄、ッ…香澄…!!」って何度も名前を呼んで香澄ちゃんの体を揺すり続ける降谷に「ゼロ!!落ち着けよ!!香澄ちゃんを病院に運ぶのが先だ!!手遅れになったらどうすんだよ!!」って萩原が降谷に怒鳴る。

香澄ちゃんを抱き上げて外に出れば「ゼロ、香澄ちゃんは!?」と諸伏が駆け寄ってきて降谷の腕の中で意識を失う香澄ちゃんを見て眉間に皺を寄せる。

「気休めにしかならないだろうけどこれ使ってくれ」って諸伏が上着を脱いで香澄ちゃんにかけながら「それと、松田と班長から犯人確保の連絡があった」って言うから降谷も萩原もホッと息を吐く。

「ゼロは先に香澄ちゃん連れて病院に行け。俺と諸伏ちゃんでこっちは何とかするから」って萩原に言われて「あぁ、分かった。ここは頼んだ」と頷いた降谷が香澄ちゃんを病院に運ぶ。

香澄ちゃんが閉じ込められていたのは冷凍倉庫。寒い場所で大声を上げ続けた事による喉へのダメージと、軽い凍傷。急激に体の温度が下がったことによる感覚障害は多少残るだろうと言われてはいたものの比較的元気な様子の香澄ちゃんに全員がホッと安堵の息を吐いた。

「…心配させやがって」って香澄ちゃんの両頬を片手でむぎゅりと潰す松田にへにゃりと香澄ちゃんが笑う。「本当に無事で良かった」と伊達が頭を撫でて「もうさ、香澄ちゃん一人で外歩くの止めよう?」って萩原が心配そうに眉を下げて香澄ちゃんの手をぎゅっと握る。

未だひんやりと冷たい指先があの日の姿を思い出させて、背筋がぞわりと粟立つような感覚に襲われる。「俺たちの方で住む所、用意しようか?」ってクスクス笑いながらリンゴを剥いてくれる諸伏に香澄ちゃんがギョッとしたように目を見開けば「ああ、それもいいな」って降谷が同意するからもっとびっくり。

「えっ、え…っ、今のおうちで十分ですよぉ…」って困った顔をする香澄ちゃんの額にビシリとチョップを落とした松田が「十分でも安全じゃなきゃ意味ねぇだろ」って怪訝な顔をするから「……それは、まあ…」ってなっちゃう。

「何にせよ、今の香澄ちゃんの家じゃセキュリティ面が心配なことに変わりは無いな」って伊達も頷くから「だ、伊達さんまで…?」って香澄ちゃんがしょんぼりする。「良いとこ見つかるまで俺と姉ちゃんの家に住む?」って笑って聞いてくる萩原さんに「住みません!」って返せば皆が声を上げて笑うから幸せだね。
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