なんで俺じゃないんだよ

※誰も幸せになれない※千速←松田←香澄ちゃん←萩原の超泥沼※

「悪い。俺、千速のことしか考えられねぇ」ってフラれた香澄ちゃんが「千速ちゃんのことを好きな陣平くんが好きなの。だから、謝らないで。聞いてくれて、ありがとう」って笑顔で返してるのを見て自己嫌悪が止まらない萩原がいる。

香澄ちゃんみたいに笑顔で好きな人の幸せなんて願えない。松田にフラれた香澄ちゃんを見てチャンスだと一瞬でも思った自分が嫌になる。香澄ちゃんの恋が上手く行けばいいと思ってる自分と、自分を好きになってくれればいいのにって願う自分がいる。

なんて酷い男なんだって、嫌いになって欲しいのに嫌いになって欲しくない。手に入れたい、突き放して欲しい、好きでいたい、嫌いになりたい。頭の中がぐちゃぐちゃで「研二くん、何かあった?大丈夫?」って心配してくれた香澄ちゃんを無理やり押し倒す。

「〜〜ッなんで、何で……!俺だってずっと一緒だったじゃん!俺だって、香澄ちゃんのこと大事にしてたじゃん!おれが、俺の方が…ッ、松田より香澄ちゃんのこと、ずっと見てたのに…!なんで、なんで俺じゃないんだよ!!なんで、おれのこと、好きになってくんなかったの……?」って全部ぶつけちゃう。

香澄ちゃんは萩原がこんな風に感情剥き出しで怒鳴るところなんて見たこと無かったし、いつだって自分に触れる萩原の手が優しかったから、こんな風に力で押さえ付けられるのも初めてで怖くなる。

かたかたと体を震わせて「ご、め…っ、ごめんなさい、ごめんなさい…っ、」って泣きながら何度も謝る香澄ちゃんを見てハッと我に返って「ぁ…っ、おれ…、ッ香澄ちゃん、ごめん、」って慌てて香澄ちゃんの上から退いて抱き起こそうとするんだけど「ごめんなさい、ごめんなさい…っ、」って泣きながら怯えられて途中で手が止まる。

「ご、めん…ほんとに、ごめん、謝って済むことじゃないけど…っ、ほんとに、ごめん…」って謝ってその場を離れる萩原がいる。「……勘違いだったら、悪い。ハギと、なんかあったか」って松田に聞かれて「なんにも、ないよ。最近、いそがしくて」って香澄ちゃんは笑って誤魔化す。

千速に「香澄と何かあったのか?」って聞かれた萩原も「え?何で?なんもないよ〜」ってへらへら笑って誤魔化す。すれ違ったまま、顔を合わせなくなって、もうあの日には戻れないって気付いた時には全部遅い。
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