知り合いのフリしてて

知らない男の人がずっとついて来てて、どうしようって思ってたら身長の高いガタイの良い男の人たちがわいわいしてるのを見つけて藁にも縋る思いで「〜〜ッひ、久しぶり!皆も飲み会?」って声をかける香澄ちゃんと、違和感に気付いてすぐに旧友のフリをして助けてくれる警察学校組の皆の話。

香澄ちゃんに肩を叩かれた松田は一瞬ナンパだと思って「あ?んだお前、」って振り返るけど、真っ青な顔で唇を震わせてる香澄ちゃんを見て変だな、と思う。

チラッと皆の方を見れば降谷と諸伏が香澄ちゃんの背後に一瞬だけ視線を向けてアイコンタクトをしてくるから何かあるのだと察して香澄ちゃんの肩に手を回して「なんだよ、変なナンパかと思ったらお前かよ!」って萩原と自分の間に入れるように引き寄せる。

自然な動きで香澄ちゃんを見つめる男から香澄ちゃんを隠す様に立って「久しぶりだな、一人か?」って伊達が声をかけて「最近誘っても全然来てくれないから寂しかったんだよ〜?」って萩原が笑いながら香澄ちゃんの手をぎゅっと握る。

「大丈夫、このまま知り合いのフリしてて」って小さな声で萩原が言えば香澄ちゃんがホッと息を吐いて泣きそうな顔でこくり、と頷く。「友達と飲んでたんだけど、早めに解散になっちゃって。もう一軒行こうかなって思ってたとこだったの」って香澄ちゃんが言えば「え、奇遇だね。俺たちも二軒目行こうって話してたんだ」って諸伏が笑う。

「せっかくだし君も一緒に行くか?」って降谷が首を傾げるから「ほんと?じゃあお言葉に甘えて一緒に行こうかな」って香澄ちゃんが笑って、皆に囲まれて楽しそうに歩き出した香澄ちゃんを見て諦めたらしい男が離れていく。

けれど「まだこのまま歩き続けて」って諸伏に言われて背中を押されるまま歩き続ける。しばらく歩いて本当に二軒目のお店に入って席に着いて、ようやく伊達が「さすがにもう追って来てないだろ」って言うから香澄ちゃんの肩から一気に力が抜けてぽろぽろ涙が溢れ出す。

「ご、ごめ…っ、ごめんなさい、ほんとうに…、あり、っが…とう、ございます…っ、」って香澄ちゃんが涙を流すから「ううん、気にしないで。君に何もなくて本当に良かったよ」って萩原が笑って香澄ちゃんの涙を拭ってくれる。

「偶然とは言え、俺たちに声をかけて本当に正解だったよ」って諸伏が笑うから香澄ちゃんがどういう意味だと言わんばかりに不思議そうな顔をすれば「俺たち警察官な。しかも全員」って松田が笑う。

あんぐりと口を開けて驚いた顔をする香澄ちゃんに苦笑いをしながら「まあ、あの状況じゃ逮捕も何もできないからな。嬢ちゃんをあの男から離すくらいしかできなくて悪いな」って伊達が困ったように言えば「そ、そんな…!ほんとに、たすけてくれて…っ、ありがとう、ございます…!」って香澄ちゃんが頭を下げる。

皆としては警察官として当たり前のことをしただけで特別な事をした意識は無いから「どういたしまして」って笑ってる。そんな中でぱちりと手を叩いた萩原が「すぐに戻って鉢合わせてもアレだし、一杯くらい本当に一緒に飲もうよ。何か好きなお酒とかある?」って笑って香澄ちゃんにメニューを差し出す。

「そ、そんな悪いです…!皆さんお友達…なんですよね?私がいたらせっかくの飲み会が台無しに…」って香澄ちゃんが困った顔をするけど「気にしなくていい。このまま君一人を帰して何かある方が困るからな」って降谷が笑う。

「そうそう!君もせっかく楽しく飲んでたのに帰り道で台無しになっちゃったでしょ?ここでリセットしてから帰ってもいいんじゃない?」って諸伏がくすくす笑うから「じゃあ、お言葉に甘えて…」って香澄ちゃんもへにゃっと笑う。

それから自己紹介をして一緒にお酒を飲んで家の近くまで送ってもらった香澄ちゃんだったけど、この日を境に続々と事件に巻き込まれるようになって「まさか再会が事件現場とはなあ…」って伊達に苦笑いをされるし、別の現場では「おま…はぁ、何で毎回現場にいんだよ…」って松田にもため息を吐かれるし、爆弾事件にも関わっちゃって「何でこんな所にいるの!?」って萩原にも驚かれることになる。
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