まだ、止めたくない

香澄ちゃんに「ちゅー、する…?」って聞かれた諸伏が「それ、本気…?」って片手で口元を覆って真っ赤な顔をするから、その表情が予想外すぎて「そ、そんな…照れないでよ…!こっちが恥ずかしいじゃん…!」って釣られて顔が赤くなった香澄ちゃんが「冗談だよ…!」って逃げようとする。

でもぎゅっと手を握って「冗談に、しないで」って顔を覗き込んできた諸伏と唇が重なるから息を飲む。ちゅ、って触れるだけのキスをして、至近距離で視線が交わる。どちらからともなくちゅっ、ってもう一度唇が触れて、離れて、触れて、深くなる。

薄く開いた唇からぬるりと入ってきた舌がゆっくりと絡んで、握られた手の指がゆっくりと絡む。「ん…っふ、…っふぁ、」って香澄ちゃんの目がとろんとしてきて「これ、好きだもんね」って眦を下げて微笑んだ諸伏が、また唇を重ねてくる。

苦しくなる前に唇が離れて、熱が冷める前に再び重なる。何度も繰り返されて、思考すらも奪われていく。「まだまだ、終わらなくていいよね」って優しく笑った諸伏に、こくりと頷いたが最後、もう逃げられない。

ソファに押し倒されて、ゆっくり、深く舌が絡んで呼吸が荒くなる。「かわいい、」って緩く微笑んだ諸伏が指の背で頬を撫でるから、それすら気持ちよくてビクッと体が震えちゃう。

涙に濡れた目でぼんやりと諸伏を見つめれば「まだ、止めたくない」って指を絡めるように手を握られるから香澄ちゃんも「わたしも、やめたくない」って返す。「じゃあ、やめない」って嬉しそうに笑った諸伏とまた唇が重なって、呼吸も思考も、全部奪われちゃう。香澄ちゃんが縋るように手を握り返して、甘いキスに溺れる。
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