さすがに照れるんだけど

飲み会が終わる前に『もうちょっとしたら帰るね』って萩原に連絡してお店を出たら「お、タイミングばっちりじゃん」って笑った萩原が立ってて「研二くん!?なんで…」って香澄ちゃんがびっくりしてたら「香澄ちゃんに早く会いたくて迎えに来ちゃった」って笑われるからきゅんとしちゃう。

仕事の飲み会だったから男女関係なく人が沢山いる中で「顔赤いね。楽しかった?」ってくすくす笑った萩原が香澄ちゃんの頬を手の甲ですり、って撫でるから「う、うん…」って香澄ちゃんの顔が益々赤くなる。

香澄ちゃんをひっそり狙ってた男の子たちは何とも言えない顔してるし、突然のイケメンの登場に女の子たちはきゃあって黄色い声を上げてる。「ど〜も、香澄ちゃんがいつもお世話になってます」って皆に向かってにこりと人好きのしそうな顔で笑った萩原が香澄ちゃんの肩を抱く。

背中に刺すような視線を大量に浴びながら歩き出した萩原に「びっくりしたよ…もう…」って香澄ちゃんが言うから「嫌だった?」って萩原が眉を下げる。「……恥ずかしかっただけ」って唇を尖らせてぷいっとそっぽを向く香澄ちゃんに「照れてる」って萩原が楽しそうに笑う。

「照れてないよ」って香澄ちゃんが言うから「じゃあこっち向いてよ」って萩原が繋いだ手をくん、って引っ張る。「やだ」って益々そっぽ向く香澄ちゃんが可愛くて「か〜わいい」って萩原がくつくつ喉を鳴らして笑って「車行ったら絶対ちゅーしちゃお」って言って繋いだ手をゆらゆら揺らす。

車に乗ってさっきの言葉を思い出した香澄ちゃんがそわそわし始めるんだけど、それに気付いてる萩原は知らないフリをして「んじゃ、さくっと帰りますか〜」ってエンジンをかけて車を走らせる。

いつも通り楽しそうにお話をしてくれる萩原に返事をしながらも、香澄ちゃんの視線は萩原の口元にずっと向けられてるから萩原は可愛くてしょうがない。赤信号で車を止めて「香澄ちゃん、こっち向いて」って言えば、きょとんとしながら萩原を見るから無防備な唇にちゅってキスをする。

「そんなに見られたら、さすがに照れるんだけど」って萩原が肩を竦めるから「だ、だって、研二くんが絶対ちゅーするって言うから…!」って香澄ちゃんが顔を真っ赤にして声をあげる。

「俺がちゅーするの、ずっと待ってたんだ?」って楽しそうに笑いながら車を再び走らせた萩原に何も言い返せなくてせめてもの仕返しで「……待ってたのに、してくれなかったの研二くんじゃん」って香澄ちゃんが不満そうに言う。

まさかの返事に萩原がごくりと唾を飲んで「あー…うん、そ、っか…」って片手で口元を覆う。まっすぐ前を見る萩原の頬が赤くなってて、赤くなった顔を隠す様に香澄ちゃんがそっぽを向いた。
backtop