前世で最愛の恋人だった私を置いて先に死んでしまったらしい超絶イケメンから出会って3秒で「もう二度と、置いていかない。今度こそ、絶対幸せにする。もう泣かせたりしない。だから俺と結婚しよう」ってプロポーズされて「……はい?」って固まる記憶無し香澄ちゃんと記憶有り萩原の話。
「……え、と?」って首を傾げる香澄ちゃんを見て「もしかして…何も、覚えてない…?」って萩原が泣きそうな顔をするから「あ、や、その…はい…ごめんなさい…」って香澄ちゃんが申し訳なさそうにしょんぼり眉を下げる。
「あの日、香澄ちゃんを置いていった、俺への罰かな」って肩を竦めて泣きそうな顔で笑った萩原が香澄ちゃんの手をぎゅっと握る。「これから、俺のこと知ってよ。そんで、好きになって。前世で香澄ちゃんを幸せにできなかった分、愛させて」って祈るように握った手を額に押し当てる萩原の姿に、よく分からないけど涙が込み上げてきて、はらはら涙を流して泣いちゃう香澄ちゃんがいる。
「ッ…ごめん!嫌、だった…?」って恐る恐る尋ねる萩原に「ち、ちがうんです、あれ…っなんで、ごめんなさい、なんか、なみだとまんなくて、」って香澄ちゃんもびっくりした様子で必死に涙を拭ってるから、堪らず抱き締めちゃう。
「また、俺に出会ってくれてありがとう。世界中の誰よりも、愛してる」って萩原の優しい声に、どこか懐かしい気持ちになってしまって、初めて会ったはずの萩原にしがみついて香澄ちゃんが涙を流す。
萩原のことを、頭では覚えていなくても、体が、心がちゃんと覚えている。あの日からずっと、ぽっかり空いたままだった香澄ちゃんの心の穴が埋まって、満たされて、温かくなった。