待ち合わせ場所に行ったら萩原が急にしゃがみ込むから「どうしたの?具合悪い?」って心配して同じようにしゃがみ込んだら「可愛すぎてダメ。ちゅーしたい」って両手で口元隠しながら言われて「でも折角のリップ、取れちゃうもんな」って残念そうな顔で手を握られるからドキドキする。
「……周りに人がいるからだめ」って言ったら「リップ取れちゃうから、じゃないんだ?」ってくすくす笑いながら握った手をぎゅっぎゅって更に握られて「別に、それは塗り直したらいいだけだもん」って香澄ちゃんがぷいっとそっぽを向くから今度は萩原がドキドキすることになる。
「ちゅーしたいので、人がいない所に行きませんか」って言ってくる萩原に香澄ちゃんがきゅっと眉間に皺を寄せて困った顔をしながら「だめです」って言うから「なんで」って萩原がぶすっと不貞腐れたように唇を尖らせる。
「……だって、ちゅーしたら止まんなくなるじゃん」って同じように不満そうな顔で唇を尖らせながらそっぽを向いた香澄ちゃんに萩原の心臓はまんまと撃ち抜かれちゃう。
「今日の夜、早めに帰ってもいい?」っていたずらっ子みたいに笑った萩原に「…いいよ」って香澄ちゃんが頷いて二人で手を繋いで歩き出す。「あ、でもデートはデートだから。勘違いしないでよ」って萩原が香澄ちゃんの鼻を指先でちょん、とつつく。
「そりゃあ夜が楽しみじゃないって言ったら嘘になるけど、今日のデートだってめちゃくちゃ楽しみにしてたんだよ」って楽しそうに笑った萩原が香澄ちゃんの髪の毛をさらりと撫でて「今日も、めっちゃ可愛い」って褒めてくれるから胸がきゅうっと苦しくなって「…ありがと」って小さい声しか出せないね。