香澄ちゃんと喧嘩した翌日、大きな弁当箱に目一杯敷き詰められた白米と海苔でデカデカと書かれた『バカ』の文字に「あんにゃろ…」って頭を抱える松田と「ありゃりゃ、これは相当怒らせてんねえ」って苦笑いせずにはいられない萩原がいるけど、ご飯の下にはちゃんと具が入ってるから愛だね。
とりあえず食うか…と思って箸を入れればご飯の下にちゃんとおかずが入ってて、見た目は白米オンリーだけどちゃんと飽きずにお腹いっぱい食べれるようになってるからガツガツ食べる松田の姿を見て「ちゃんと謝って仲直りしなよ」って萩原が優しく笑う。
家に帰ってきて「ただいま」って言えばいつも通り「おかえり」って返ってくるけど視線は向けてくれないから香澄ちゃんを後ろからぎゅっと抱き締めて「弁当、美味かった。サンキュ」って言えば香澄ちゃんの肩がピクッと揺れるから「あと、昨日は悪かった。言いすぎた」って素直に謝って香澄ちゃんの肩口に額をぐりぐり押し当てる。
喧嘩の理由なんてもう覚えていない。それくらい些細なことで、ただほんの少しヒートアップしてしまっただけのこと。「顔見て、おかえりって言われねぇの、結構しんどいわ」って呟いた松田に「……私も、ごめん。言いすぎた」って香澄ちゃんもしゅんと眉を下げて謝る。
「お弁当も、嫌がらせして、ごめん」って振り返って松田を見る香澄ちゃんに「まあ、開けた時はビビったけど…いつも通り美味かったよ」って笑って返せばホッと安心したように息を吐く。
それから視線を少しだけ彷徨わせてから松田の手をぎゅっと握った香澄ちゃんが「おかえり、陣平くん」って真っ直ぐに見つめてくるから「ん、ただいま」って笑った松田がキスを落とした。