おれ、ねてた…?

帰ってくるのが遅くなっちゃった香澄ちゃんが、起きて待っててくれた萩原に先に寝てていいよって言うんだけど、こういう時はいつも起きて待っててくれるから今回も起きてるんだろうな…と思いながら寝室に行ったら小さく丸まってすうすう寝息を立ててる萩原がいてきゅんきゅんしちゃう。

寝ている姿を見た事がない訳じゃないけど、いつも自分の方が先に寝落ちしちゃうからまじまじと寝顔を見るのは初めてでベッド脇にちょこんとしゃがみ込んで「……ふふ、かわいい」って萩原の寝顔を見つめちゃう。

穏やかに寝息を立ててる萩原は本当に熟睡してるみたいで全然起きないから、そうっと手を伸ばして目元にかかってる前髪をそっと払ってあげれば「んん…」ってちょっと眉間に皺を寄せて唸ってて「ふふっ、」ってまた笑っちゃう。

寝かしつけるように頭を撫でれば萩原の表情がふにゃっと緩むから、もう可愛くて可愛くて仕方が無い。さらさらの髪の毛も、つるつるのほっぺたも、とろんと下がる眦も、全部愛しくて堪らず身を乗り出して額にちゅってキスをする。

電気を消して、すうすう眠ったままの萩原の隣にそうっと潜り込めば、ちょっと意識が浮上したのか「香澄ちゃん…?」ってぽやぽやした声が飛んでくる。「ごめんね、起こしちゃった?」って萩原の方を見れば「おれ、ねてた…?」って聞いてくるから「寝てたね」って笑いながら返す。

「おきて、まってようとおもったんだけど…ごめん、」って言いながら萩原がぎゅううっと抱き締めてくるから「ううん、全然。私こそ、遅くなってごめんね」って笑った香澄ちゃんがとんとんって背中を撫でてあげる。

「おや、すみぃ…」ってもう半分寝てる萩原のとろとろした声に「おやすみ、研二くん」って返事をして香澄ちゃんも目を閉じれば、すぐに萩原の寝息が聞こえてくる。可愛いなぁ…って萩原の寝顔を見てる香澄ちゃんだけど、とくんとくんって聞こえてくる心臓の音と腕の中の温かさが心地よくてすぐに睡魔が襲ってきて、あっという間に寝ちゃうよね。
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