『少し風邪を引いてしまったので暫く会えません。すみません』ってメッセージが高明から届いたからお見舞いに行ったら「香澄さん…?なんで、」って思っていたよりも重症の高明がいて「何でこの状況を一人で乗り切ろうとしてるんですか!」って思わず年上彼氏の高明を叱っちゃう香澄ちゃん。
フラフラの高明に肩を貸してベッドに押し込んで、ぼんやり見つめてくる高明の額に熱さまシートを貼って熱を測って「……これ病院行った方がいいやつですよ」って眉間に皺を寄せる香澄ちゃんに「ねれば、なおります」って高明が言うから「明日になっても下がってなかったら強制的に連れて行きますよ」って香澄ちゃんがため息を吐く。
「お水置いておくのでちゃんと飲んでくださいね。ご飯作ってくるのでキッチン借りますね」って香澄ちゃんが立ち上がれば、きゅっと指の先を掴まれるから「高明さん?」って顔を覗き込めば「すこし、だけ…」って縋るような目をされる。
「少しじゃなくて、ずっといますよ」って笑って高明の手をぎゅっと握ってあげれば、ホッとしたような顔をして高明が目を閉じる。呼吸は荒いけれどしっかり眠りについた高明を見て、そっと手を離そうとするんだけどぎゅううって痛いくらいの力で握られてるから「ふふっ…」って笑っちゃう。
行かないで、って言うように力いっぱい握り締められた手が愛おしくて高明の手にちゅっとキスを落として、汗が浮かぶ首筋をタオルでそっと拭ってあげる。「片手しか無いから全然看病できないじゃないですか」ってクスクス笑いながら高明の頭を撫でれば、小さな声で名前を呼ばれるから「はーい。大丈夫ですよ、ちゃんといますからね」って布団の上からとんとんってお腹を叩いてあげる。
そのままベッドに突っ伏すようにして眠りについちゃった香澄ちゃんを、目が覚めた高明が見つけて「香澄さん…?どうして、」って呟くんだけど、自分がしっかり香澄ちゃんの手を握り締めていることに気付いて「……なるほど、ぼくのせいでしたか」って苦笑い。
すうすう眠る香澄ちゃんの頬に指を滑らせれば「ん…ぅ、だい、じょーぶですよ、ここにいます、」って寝ぼけたまま高明のお腹を布団の上からぽふぽふ叩いてるから思わず吹き出して笑っちゃう。
「貴方にこうして看病してもらえるなら、風邪を引くのも悪くないですね」って香澄ちゃんの頭をぽんぽんって撫でて、ゆっくりと深呼吸をすれば段々眠気が襲ってきてまたすぐに高明も眠りについちゃう。
次に目が覚めた香澄ちゃんが、先程よりも手を掴む力が弱まっていることと、穏やかな寝息を立てていることにホッと息を吐いて、そっと部屋を抜け出してご飯を作りにキッチンに行く。この後香澄ちゃんに風邪が移るまでがセットかな。