嫌われてると思ってたんだよね

※好感度が数値で見えるようになったら、香澄ちゃんにだけ当たりが強い萩原の数値がカンストしていた話※

萩原くんの頭上に現れた『∞』の文字に思わず「……え、」と声が漏れてしまって「何?」と萩原くんが怪訝な顔で私を見るから、慌てて「あ、えと、何でもない。ごめん」と謝った。

男女問わず人当たりの良い萩原くんに、どうやら私は嫌われている…と思っていたのだが、一体これはどういうことだろう。「ちょっと、たすけてほしい」と松田くんの肩を掴めば「はぁ?」と眉間に皺を寄せられる。

先ほどの萩原くんの時と同じように松田くんの頭上にも『750』と数字が浮かんでいて「松田くんって意外と私の事好き?」と首を傾げれば「気色悪い」と一蹴されてしまう。けれど頭上の数字が変わることは無くて「素直じゃないね」とくすくす笑ってしまった。

「何なんだよ、マジで」と嫌そうな顔をする松田くんに「いや、その…一個、聞きたいことがあって…」と言い淀めば、松田くんは不思議そうに首を傾げる。「萩原くんって…私のこと、嫌い…じゃん…?」と首を傾げた私を見て松田くんがビシリと固まる。

「……それが、何だよ」と珍しく分かりやすく硬い口調で話す松田くんに違和感を覚える。私、何か変な事言ったかな。「何、と言うか…確認と言うか…萩原くんって、私が話しかけると表情消えるからさ。嫌われてると思ってたんだよね」と苦笑いで言えば、松田くんはひくりと頬を引き攣らせる。

「ハギに、直接嫌いって言われた訳じゃねぇんだろ」と呟く松田くんに「それ聞く勇気あったら松田くんに聞かないよ」と不満げに唇を尖らせれば「…だよな、悪い」と松田くんが額を押さえる。

「あー…いや、ハギ、な…」と何とも言えない顔をした松田くんが口元を手で覆って、何かをぶつぶつと呟く。それから「多分、お前が思ってるようなのじゃねぇと思う」と私の頭をぐしゃぐしゃと撫で回した松田くんが「後で連絡するわ。飲み行こうぜ」と笑うから「え、あ、うん」と返した私は、まさか飲み会で盛大な勘違いに気付くことになるなんて思ってもいなかった。
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