なあに、その可愛い理由

飲み会終わり、萩原がバイクで迎えに来たせいで女の子の視線を独り占めしてるから思わずムッとしちゃう香澄ちゃんがいる。「お、おかえり」ってこっちに手を上げてくれる萩原に近付いて「なんでバイクなの」って唇を尖らせれば「やだった?」って眉を下げて顔を覗き込んで来る。

「みんな、見てるじゃん」ってぶすっとしながら言えば、萩原は一瞬きょとんとしてから肩を震わせて笑い始める。「見られちゃダメなの?」って楽しそうに笑いながら聞いてくる萩原に「だめ」って言ったら「何で?」って首を傾げられる。

「…かっこよすぎるもん。だめ」って萩原の服の裾をぎゅっと握って、萩原の顔を見上げれば「なあに、その可愛い理由」って萩原が両手で頬をむにむに揉んでくるから「んむぅ、」って間抜けな声が出ちゃう。

「俺、カッコいい?」って笑う萩原に「うん、すき」ってふにゃっと笑えば「はは、俺もすき」って萩原が額にちゅっとキスを落とす。香澄ちゃん様の小さめのヘルメットを被せて「酔ってふにゃふにゃになった香澄ちゃんも可愛すぎるからしまっちゃいま〜す」って言いながら萩原がふわっと香澄ちゃんを抱き上げてバイクに乗せる。

「よし。そんじゃ、帰りますか」って自分もヘルメットを被ってバイクに跨った萩原が「香澄ちゃん、おてて貸してくださいな」って言うから、萩原のお腹に手を回してぎゅっとしがみつく。

優しく走り出したバイクの上では、酔い覚ましに丁度いい冷たい風が体を撫でる。萩原とくっついている部分だけはぽかぽかと温かくて、ぎゅうっとしがみ付く力を強くする。最初は怖くて仕方なかったバイクも、今ではお気に入りになっちゃうよね。
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