年上🌸ちゃんに一目惚れしたhgwrの話。 #decnプラス 彼女について俺が知っていることは、名前と勤務先のみ。つまり待ち伏せをするしか無いということだ。とは言え、彼女の出勤日も勤務時間も知らない。俺が非番の日に会社の前で待っていたからと言って会えるかどうかは分からない。

「だからって待たない理由はねぇよなぁ…」と彼女の会社の出入口が見える場所で待ってみる。来る途中にコンビニで買ってきた水と菓子パンを見て「……張り込みしてるみてぇだな」と小さく呟いた。それから数時間、スマホを見てみたり空を見てみたり。夜になっても彼女が現れなかったら、運が無かったと

思って諦めよう。そう思った矢先だった。見覚えのある姿がビルから出てきて歩き出す。時間はぴったり18時半。慌てて駆け出して「ッお姉さん!」と声をかければ、あの日と同じように華奢な肩がビクリと跳ねる。「君、どうして…」と驚きで目を見開く顔も可愛くて、疲れも何もかも吹き飛ぶようだった。

「お姉さんに会いたくて、朝から待ってた」とへにゃりと笑えば彼女は益々目を見開いて「朝から!?何してるの…もう…」と困ったように笑う。まだ2回しか会ってないけど、俺の言葉で表情がころころ変わるのが可愛い。その顔も好き。「俺、hgwr knjって言うんだけど、お姉さんの名前、教えて欲しい」と

腕を掴んでいた手を滑らせて、きゅっと手を握る。ヤバい、手汗めっちゃかいてるかも。キモいとか思われたらどうしよう。ばくばくと跳ねる心臓の音がお姉さんに聞こえてしまうかもしれない。緊張しながらそっと顔を見れば「名刺渡したじゃない。知ってるんじゃないの?」と悪戯っ子のような顔で

こてん、と首を傾げられた。その顔も、好き。「でも、お姉さんの口から聞かなきゃ意味無いよ」と拗ねたように呟いた俺に彼女はくすくす笑いながら名前を教えてくれた。名刺に書かれていた名前と同じだった。「🌸さん、って呼んでいい?」と手を握る力を強めれば「お好きにどうぞ」と返される。

「俺のこと、名前で呼んでくれる?」と尋ねれば「まだ呼ばない」と返されて、心臓が爆発するかと思った。「まだって、どういう意味」と眉間に皺を寄せれば「だってあなたの事、なにも知らないもの」と肩を竦めて返される。「じゃあ、俺のこと知ってよ。あと、🌸さんのことも、教えて」と縋るように手を

ぎゅうっと握り締めれば「……朝から待っててくれたみたいだし、いいよ。今日は特別」と手を握り返される。「ほんと!?」と自分の声が上擦ったのが分かって、恥ずかしさを咳払いで誤魔化す。楽しそうに笑う彼女の前では、誤魔化せていなかったようでカッコ悪いなと唇を尖らせてしまったのは仕方ない。
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