※年上夢主※
兄さんと一緒にいた綺麗な人。優しく笑うその人に俺は、所謂『一目惚れ』をした。兄さんに紹介をしてもらって出会った彼女は俺を見て不思議そうにきょとりと目を瞬かせた。
「あなたが、高明くんの弟さん?」と首を傾げる彼女に「突然呼び出して、すみません」と頭を下げれば「ううん。高明くんから頼み事なんて珍しいと思ったら、私に用事があったのは弟さんの方だったのね」とくすくす笑いながら片肘を付いて、可愛らしくこてんと首を傾げる。
「私に、どんな用事かしら」と微笑む彼女に、何も用意していなかった俺は言葉に詰まる。それから小さく息を吸って「…あなたに、一目惚れしました」と真っ直ぐに彼女を見つめれば、彼女の目が大きく見開かれる。
「そ、そう…」と予想していなかったらしい答えに彼女は視線を彷徨わせてから、口元を隠すように手を動かした。赤くなった頬と耳。照れているのだと気付いて、釣られて顔が熱くなる。
「あ、いや…!でも、急にこんなこと言われても、困りますよね…!友達!友達からでいいので、仲良くして…もらえませんか…?」と不安になりながらそっと彼女を見つめれば「……そう、ね。友達からなら」と控えめに頷いてくれる。
「〜〜ッ!あっ、俺、諸伏景光って言います!」と今更自己紹介をしていなかったことを思い出して名を名乗れば、彼女も同じように名乗ってくれる。「香澄さん、って呼んでもいい…?」と聞けば「ええ、どうぞ」と柔らかく微笑みかけられる。
「じゃあまたね、景光くん」と手を振って帰って行った彼女の後ろ姿を見て、心臓が音を立てる。どうしようもなく、好きだった。