お前のが上手いに決まってんだろ

自分より早く起きてお弁当と朝食作って、香澄ちゃんも仕事に行ってるのに自分が帰ってきたら掃除洗濯含む家事全般が全て終わってる状態だから、松田はいつも香澄ちゃんに頭が上がらない。

ある日仕事が終わって帰ってきたらテーブルに生理痛の薬のゴミが置いてあるの見て「……は?」ってなる。 「あ、ごめん。置きっぱなしだった」ってさらっとそれを捨てて普通に洗濯物干し始めた香澄ちゃんに「腹、痛くねぇの」って聞いたら「ん?さっき薬飲んだし平気だよ」って返される。

「……薬飲んでんだから平気じゃねぇだろ」って眉間に皺が寄って、香澄ちゃんの手をぎゅっと掴む。今回はたまたま薬のゴミを見つけたから気付けただけで、じゃあ普段は一体どうしているのか。

松田が遅く帰ってきても起きて待っててくれて、ご飯を出して、片付けをして、松田がお風呂に入ってる間に洗濯をしてくれる。今までだって体調が悪かったり、生理になってる日だってあったはずで。

気付けるはずの事を当たり前だと思って受け入れていた自分が悔しくて思わず香澄ちゃんを抱き締めちゃう。「えっ、なに?どうしたの?」ってびっくりする香澄ちゃんに「…わりぃ。全部、やらせて」って小さな声で松田が言うから「私がやりたくてやってるんだもん。いいよ、気にしなくて」ってクスクス笑っちゃう。

「俺もやるから。料理も、掃除も、洗濯も。……つーか、もっと怒れよ」ってぎゅううって強く抱き締められるから拗ねてるみたいで可愛くて「怒らないよ。だって陣平のために色々出来るの、嬉しいんだもん」って香澄ちゃんが笑う。

香澄ちゃんに教えて貰いながら料理したり掃除したり洗濯したり。色々家事をするようになるんだけど、元々器用なのもあってお弁当作りとか、洗濯物干すのとか、アイロンがけとか、どんどん上達するから「……私より上手なのやめてよ!」って香澄ちゃんが怒ることになる。

でも松田は香澄ちゃんの方がすごいと思ってるから「はぁ?俺よりお前のが上手いに決まってんだろ。あんだけ大口叩いたのにたまにしかやってねぇし」ってぶすっとしてるの、愛だよね。
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