tori


22


部屋に残されたのは竜也とスイレンのみ。
シンと静まり返る空間に、竜也が後退りした為に起こる着崩れと床を摺る音だけが響いた。

「神子様、怖がる必要ないよ」

スイレンがゆっくり近づき、竜也の腰に腕を廻す。
すると互いの体が密着し、スイレンの下半身が自らの腹にあたった。
びくりと体を反応させ、戸惑いの表情を浮かべながら目の前の男を見上げる。
すると美少女ばりに綺麗な顔があり、ギョクレンと似ているのだがやはりいくら双子とは言えど違うものだなと思った。
色素の薄い肌がまるで陶器のように美しく、水色の瞳は宝石のように輝いていたのだ。
薄い唇は桜色をしており、身長が高くなくて、筋肉もなければ完全に女性と勘違いしそうにる。

「お腹の子に障るかもしれないから、抵抗しないで欲しいな。覚が人払いしてるから、この近くに誰もいないよ。だから、声を抑える必要ないからね」

そう言われて、はい、そうですか、と納得出来る訳がない。
人払いとは何か。
これから声が出るような行為を行うのか。
それらが頭の中でグルグル廻った。
そんな事を考えていたから、スイレンが動いた事に気づけなかったのだ。
突然の浮遊感。
何事かと思えば、スイレンに軽々とお姫様抱っこされていた。

「……は?」

竜也がすっとんきょうな声を上げれば、スイレンは優しく微笑むだけ。
まるてギョクレンとは違う仕草に、本当に別人なのだと思い知らされる。

「少しだけ、横になってもらうよ」

そう言って、先程まで寝ていたベッドへと戻される。
壊れ物を扱うように降ろされたかと思えば、座ったまま対面座位の状態でスイレンの上に跨がった。
要するに膝の上に乗っている状態である。
不安定な態勢となり、竜也は思わずスイレンの肩に手を置いた。
それが甘えてるような仕草に見え、スイレンはふっと微笑むのだ。

「あー…本当、これはまずいなぁ」

苦笑いして、困った顔をするスイレン。
何がまずいのかわからず、竜也は不思議と首を傾げた。
その表情が更にスイレンに追い打ちをかけるとも知らず。

「…、…うん、ダメだ。これは」

そう言ったかと思えば、スイレンの指が竜也の顎に添えられる。
スローモーションのように顔が近づき、互いの唇が合わさった。

「ん…?」

ちゅっと音を立てて触れる唇。
それがスイレンの唇だと気づくのに時間はかからなかった。
戸惑いはするもこれが妊娠を確かめる為の行動だと理解すれば、自然と肩の力が抜ける。
そして見た目通りの優しい口付けだなと思っていれば、ぽうっと体が熱くなった。
スイレンの唇が離れれば、綺麗な水色の目と視線が重なる。
美少女だと思っていたが、近くで見ればやはり男らしい顔つきをしていた。
竜也がその顔に見惚れていれば、二人の周りに巨大な魔法陣が現れる。

「……!?」

竜也が驚き、魔法陣を見つめれば、スイレンは少しだけ意外そうな声を出した。

「姫乃とは違うけど、神子様からも力が貰えるんだね。体中から湧いてくるよ」

スイレンは自身の体を見つめ、微笑む。

「これから妊娠してるかの検査するから、良いかな?」

スイレンにそう言われ、竜也は頷く意外の選択肢がなかった。
再び竜也の唇に口付ければ、するりと舌が入って来る。
びくりと体を反応させる竜也を労るように優しく撫でながら舌を絡ませれば、安心したのかゆっくりとスイレンの首に腕を廻した。
二人の間に隙間がない程、抱き合い、ゆっくりと互いの舌が絡まり合う。
ぴくぴくと竜也の体が跳ね、気持ち良さそうに甘い吐息を洩らした。
それをスイレンは満足そうに目を細めて見ていたのだ。
くちゅりと水音が室内に響き渡り、体が沸騰したように熱くなる。
スイレンの舌の動きが緩やかなのに逃がすまいと絡みつく為、竜也は気持ち良さから意識が朦朧としてきた。
チャイナ服のスリットから脚が出ており、スイレンが太腿に手を添える。

「っ…!?」

竜也は驚き、体を反応させるもスイレンの手がゆっくりと這えば、何とも言えない気持ちになった。
きめ細かな太腿の感触に、スイレンの手の動きが妖しいものへと変わる。

「っ、…あ…!」

竜也は小さな声を洩らし、頬を赤く染めて顔を逸した。
抵抗しないよう言われているから、律儀に守る辺り、可愛くて仕方ない。
素直な竜也に胸か熱くなるのを感じるのだった。


双子攻とか最高よな。しかもスイレンが手を出したと知った時のギョクレンの反応が気になるので、おいおい書こうと思います(笑)多分双子贔屓になるかと思われる。


2024.10.29

- 24 -

*前次#


ページ: