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※ヒロインサイド。読みたくない方はスルーして下さい。
その頃、姫乃はと言うと。
水国でひたすら戦っていた。
何と、と言えばこれである。
「え、ちょ、何!?リアルBL!?ちょー最高なんですけど!!!男だけしか存在しない国って、どゆこと!?女がいないとか、楽園なの!?え、ご褒美!?ワシにご褒美くれてるの!?もぉー、普通に恋愛対象男とか、天国でしかないじゃん!!しかも夫婦!?何それ、ちょー萌えるぅ!!!」
手足をバタつかせて、パンチラするのも気にせず、一人物陰に隠れて人間ウォッチングしていた。
遡る事数分前、竜也と離れ、飛ばされた先は水に囲まれた国、水国だったのだ。
そして、何故か男同士の情事の最中に舞い降りてしまったらしく、さぁ、今から合体だと言う素敵な時間を止めてしまった。
その時に姫乃が放った言葉は、これだった。
「時を戻そう」
その言葉に、先程まで高められていた美形男子二人の唖然とした顔と言ったら、何のその。
「あ、お構いなく。ワシ、見る専だから、そのまま続けてくれてOKだよ。ほら、とっとと挿れちゃいなさいよ!!」
静まり返る室内に響く、異様なまでにテンションの高い女の子の声。
更には美少女。
それも何を話しているか全くわからない。
何故ならば、竜也同様にこの国と姫乃達がいた日本とでは言語が違うのだら。
「¢µ#$§%π‡¢!!!??」
美形A(受)が大声で叫べば、屋敷にいる護衛達が一気に集まった。
そして美形B(攻)が美形Aを他の連中に見えないよう自分の体で隠し、柄の悪い男達に何かを伝えていた。
「別に君達の愛を引き裂こうなんて思ってないよ。そんなに警戒しちゃって、かーわい。って言ってる場合じゃないのか。言葉通じねぇって、穏やかじゃないわねぇ。ほーんと嫌になっちゃう」
姫乃は平然としながら、殺気だつ男達を見つめる。
そして、ゆっくりと立ち上がり、にっこりと微笑んだ。
それはまさにまごう事なく美しい微笑みで、誰もが見惚れた瞬間だった。
「君達のフィニッシュを見れなかった事だけが悔やまれるよ!また会おう!!アデュー!!!」
そう言って、脱兎の如く消えて行った。
その場にいたものはあまりの速さに息すらつけなかったとか、つけたとか。
とりあえず颯爽と逃げた先は神社の境内だった。
そしてそこにもご褒美がひとつ。
「え、ちょっとここ神社なんですけどぉ!え、壁ドン!?壁ドンして、顎グイして、股ドンして、ベロチューって、最高じゃねぇの!!しかもなっが!!ベロチュー、めちゃくちゃなっが!目の保養ー、幸せ、何か知らないけどトリップして良かったー!!」
鼻息を荒げ、ハウハウしながら美形男子二人のイチャラブシーンを盗み見している姫乃。
まだ気づいていない。
背後から忍び寄る気配に。
夢中になってBLシーンを食い入る様に見ていたから、自分に伸びる魔の手に気づく事が出来なかった。
口を布製のもので塞がれたと思った瞬間、意識が遠のき暗転。
さて、本物の神子様。
この先、どうなる。
2024.09.27
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