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「うおぉーーーー!!!?海!?龍!?めっちゃ格好良いじゃーん!!!スイレンすごー!!!!RPGの世界じゃね!?」
姫乃は初めて見るリヴァイアサンに興奮し、少年のように目をキラキラさせてスイレンを見つめる。
聞き慣れない言葉を喋っていたが、どうせ禄な事じゃないだろうとスルーした。
あまり自分には見せない姿に一瞬だけ目を丸くさるも事態は一刻を争う。
ジゼルの傷口はリヴァイアサンにより塞がったが、毒までは解毒出来ない。
このまま死んでしまっては全てが水の泡だ。
「……あ、そう言えば居たんだね。危うく巻き込む所だった。存在忘れててごめん、姫乃」
ニコリと笑うスイレンに、姫乃も同様に笑顔を向けた。
しばし2人は見つめ合う。
「……うん、その言い方、絶対おかしいよね!!?やっぱワシ、スイレン嫌ーい。尊敬して損した!返せ、ワシの純情!」
「奇遇だね。俺もお前の事嫌いだから安心してね。姫乃はもっと俺を尊敬するべきだよ、足りないよ、全然足りない」
「取り柄、顔だけだな本当!あ、魔法もか?いや、性格悪いからむしろマイナス?うーん…、やっぱ顔だけだわー」
「…言ってくれるよね。俺は全て完璧だよ」
「自画自賛やばーい!見てて痛いわー。全然萌えなーい、本当無理ー!!」
互いに目を合わせ、バチバチと火花を散らす。
どんな時でもこの2人の相性は最悪なのであった。
「姫乃、毒を取ってあげる事は出来る?」
スイレンの言葉に姫乃は首を傾げる。
「うーん…出来るかわからんけど、一応やってみるわー」
そう言って、姫乃はジゼルの元へ駆け寄り、口づけをするのだった。
しかもベロチューの方で。
ぶちゅっと音がする程に深いキスに、スイレンの背筋に悪寒が走る。
「………舌を入れる必要あったのかい?」
「あるあるぅー、めちゃくちゃ大ありー」
信じられないとスイレンは姫乃へと呆れた眼差しを向けた。
美青年の唇を奪えた事で、本日1番のご機嫌である。
「心底、そこの彼に同情するよ…」
スイレンが頭を抱えて、げっそりとする。
「おぉー!!スイレン、何か知らんけど、血色良くなったぞー」
姫乃の言葉にジゼルを見れば、紫色だった唇は綺麗な桃色へと変わっていた。
そして傷口が塞がっても紫色だった肌が、毒が抜け褐色へと戻ったのだ。
「腐っても神子なんだね、姫乃って」
「一言多いんだよ!!」
再び喧嘩が始まったのだった。
腐っても姫乃は白の神子なので、ナイトを回復させる事が出来ます。ここに来て、ようやく仕事を全うしたんじゃないかなと(笑)ニート生活も良いけど、それなりに頑張らないとスイレンからのムチが凄そう。飴のない、ムチひたすらムチ、みたいな。
2025.08.16
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