8
(え…、待って…。何、この状況…!?…え?……えぇぇぇ!!?)
竜也は一人脳内パニック状態。
昨日からずっと続いているのだが、その非じゃない程の威力である。
「っ…、…皇子様?…つっ、…っ、これって…一体…??」
背後から抱え込まれ、膝の上に乗せられたかと思えば、項に何度も甘噛みをされていた。
しかも長々と一時間近くもだ。
「んー?これか?パワーもらってんだよ。お前、神子だし、どのくらいなのか確かめてみたくなぁ」
何度も甘噛みとキスをされ、厭らしい水音とリップ音に頭の中がクラクラしていた。
もちろん最初は全力で抵抗していたが、体格差と言うべきか、力の差とも言えようか。
軽く抑え込まれ、好き勝手させられ、今に至る。
「……っ、パワー…?確かめ…る??」
何の事だと竜也は思うが、敏感な項を舐められ、何度も甘噛みされて、体が小刻みに震えて力が出ない。
擽ったくて、ゾクゾクとして、体中が熱く火照る。
「そうそう、神子様は異国民だから知らないんだったか?4人のナイトがいて、みんな力を無くしてる状態なんだわ。何でかって言うと、神子にしかナイトの力を回復させる事ができなくてさ。んで、何で困ってたかと言うと、鬼にこの世界が支配されてるんだ。そして神子が何100年に一回、降臨して来て、そいつらを倒す為のパワーくれて、鬼退治したら平和だ、ハッピーってな訳。で、一番重要なのが神子にしか回復出来ないって言ったろ?キスひとつで俺達4人が最強になって、本来の力ってのを発揮出来るんだけど、多分、俺、そのナイトって奴だわ。キスしたら、わかったわ」
(いやいやいや!!待って、本当に意味がわからない!!キスで回復??どこぞの漫画の世界だよ!!え、まさか、俺、これからもキスし続けるの?男と??ナイト?神子?え、俺、本当に神子!?)
「皇子様っ…俺、男…!!だから神子なんかじゃないんだって!!神子って絶対女だよな!!?俺と一緒に来た可愛い女の子いるんだけど、神子はその子だよ!!」
「この世界に女は存在しねぇ。竜也、知らねぇようだから教えてやる。ここは男だけの性しか存在しねぇんだ。残念だが、確かに神子は女だと言われて来た。けど、俺はわかっちまったんだよな。会った瞬間、お前が神子だって。竜也が男なのは見てわかるし、この世界は男同士が恋愛、結婚して、夫婦になる。で、妊娠、出産までするんだ。わかるよな?だから何の問題もない」
「嘘だろっ…!!?そんなの聞いてないっ!!俺、可愛い嫁さんと結婚して、子供3人欲しかったのに!!騙された!!しかも問題ありまくりだろ!!!」
竜也は必死で筋肉質な腕から逃げようと、指に力を入れて抜け出そうとする。
その度に強く抱き締められ、唇を奪うようなキスをされた。
薄くて形の良い珠里の唇から伸びる肉厚の舌。
それが縦横無尽に竜也の口腔内を動き廻る。
「んっ…!!?ふっ…、んんっ…!」
蕩けるような熱い舌に頭が真っ白になる程に気持ちが良い。
脳が痺れて、何度も口づけされる度に下半身がキュンキュンと切なく啼いていた。
(くそっ…!!野郎なんかにキスされて、嫌じゃないとか気持ち悪すぎだろ、俺!!)
竜也はもしかして自分は男色の気があるのではないかと、ゾッとする。
言われてみればことごとく女の子とのイベントが青春時代全く無く、知らぬ内にシフトチェンジしてもおかしくない。
いや、そんな事あってたまるか。
可愛い嫁さんが欲しい。
そう思い、必死に抵抗虚しくなすがままである。
「つっ…!!」
15歳の少年のキスとは思えない程の官能的で濃厚なそれは、18年生きてきた童貞彼女無しの竜也にはあまりにも刺激が強すぎた。
(何で皇子様はこんなにキス上手いんだよ!!あり得ねぇから、こんなの無理だから!!)
竜也は小刻みに震えながら、一生懸命空気を吸う為に口を開く。
それを待ってましたと言わんばかりに珠里の長い舌で埋め尽くすされる。
角度を変えて、より深くなっていく口づけ。
「っ、…竜也、お前…すげぇな…?物凄いパワー…来たぜ。こりゃ、癖になりそうだ…。」
口づけの合間に掠れた低い声がしたかと思えば、珠里の顔つきが先程までの余裕そうなものから、獲物を狙うギラギラした捕食者のものに変わっていた。
ブワッと広がる色気に、竜也は目眩を起こす。
これはもう流される、逃げられない、と。
伝説では聞いていたが、ここまで力が体の奥深くから湧いて来るのは初めての事。
心地良い気が送られ、今まで感じた事のない未知の力が全身に宿っていく。
これが神子なのかと。
こんな凄い力を手にしたら、世界だって守れる。
「はっ…すっげぇ…!体が紫に輝いてらぁ…。こりゃ、手放せねぇわ。悪ぃ、神子。嫁さん貰えねぇわ、俺、お前を誰かに渡すなんて考えつかねぇ…。神子として全うしてもらうわ」
神子としての力に酔いしれ、ずっと手元に置いておきたい。
こんな力が手に入るのなら、本当に正妻として迎えても良いだろう。
全く好みではないが、いずれ愛情は生まれるだろうし、自分のテクニックの前で溺れない男は今まで誰ひとりとしていなかった。
だからどんなに否定しようが、竜也も例外なく、メロメロになってくれるだろう。
やっとキスして回復、書けました。ここまで長かった!!ちゅーすればナイトかわかるって設定。
2024.09.28
- 10 -
*前次#
ページ: