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「続きまして、ゴールド優勝の発表です」
先程と違って、盛大な音楽が鳴る。
司会者が音楽に合わせて、第20回seyco entertainmentの優勝者の名前を読み上げた。
音が止まり、時間がゆっくり流れる。
「ゴールド1位は……。佐野環くんです」
その言葉を聞き、自分と同じ名前のエントリーがいるんだなと思い、ぱちぱちと拍手した。
すると隣にいた候補者が何してんだと体で押してくる。
何だろうと思い、隣の少年を見れば、お前だよ、お前、と言葉しているではないか。
そして先程から対象者にスポットライトが当たり、舞台まで照らされるのたが、それが自分の当たっている事に気づく。
「……え?」
意味がわからずにいると海向が歩いて目の前まて来ていた。
「環、自分やで、優勝。はよ、行かんと」
そう行って腕を引いて立ち上がらせてくれた。
その後もよくわからず、ふらついていれば、海向に腰を抱かれ舞台まで一緒に歩いてくれる。
その2人の仲睦まじさに会場から拍手が贈られるのだった。
「ちょっとしっかりしい。大丈夫なん、自分。この状況、全くわかっとらんやろ?」
隣で支えてくれている海向へと視線を向ければ、心配そうに眉を下げていた。
それでもその美しさに見惚れてしまうのは仕方ない事である。
「……うん、ちょっと…混乱、してる…」
本音をぶつければ、海向は仕方ないと困った笑みを浮かべた。
そしてぴたりと足を止め、環へと向き合う。
「今日の環、凄く綺麗で素敵やったで」
そう言って、環を優しく抱き締めた。
会場からは驚きの声と歓声が上がり、環が目を大きく見開き固まる。
「俺達のナンバーワン、頑張ってぇや」
そう言って、海向が環の背中を優しく撫でた。
普段、絶対こんなスキンシップなんてしない。
容姿から目立つ事が大嫌いな海向が環の為に人肌脱いだのだ。
短い時間で友人になったが、それでもわかる。
自分の為に海向が動いてくれた事がとても嬉しくて、環が海向の背中に腕を廻して抱き締め返した。
そうされるとは思ってなかった海向の目が一瞬だけ大きく見開き、でも次の瞬間には嬉しそうに微笑んだ顔の美しさに会場からはどよめきが走る。
2人の体が離れ、見つめ合って笑えば微笑ましい光景だった。
「海向、ありがとう」
そう言って環は舞台へと上がったのだった。
それを見届けて、海向は自分の席へと戻って行く。
「1位をもらえるなんて思いもしなかったので、理解するまでに時間かかってすみません。海向…、連城くん、ありがとうございます。俺はずっと憧れの人がいて、その人に少しでも近づきたくて歌い始めて…。周りの人達や今日投票してくれた方々に感謝しかありません。本当に俺なんかの歌を聴いてくれて、ありがとうございました」
深くお辞儀をすれば、溢れんばかりの拍手が贈られた。
(父さん、母さん、俺、合格したよ!今まてありがとう!)
0章終了しました。平凡受けと綴ってる癖に、我がサイトの主人公は非凡に近くて、本当すみません。どこが平凡だよと思われてると思いますが、ええ…その通りでございます。管理人の好みばかり投影しとります故、呆れずにお付き合い下さい。固定カプ中心ですが、主人公争奪戦は相変わらずで行こうかなと思っております。一応、誰とくっつくのか決めておりまして。あとは他にもカプなど作れたらな、とか、番外でその他カプが主人公とか出来たらな、なんて思ってます。
2025.02.01
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