3※R15
※R15、自慰、性的表現あるので、苦手な方はスルーして下さい。
「はっ…」
昂ぶる気持ちを抑えようと考えるも、じくじくと散る事のない熱が集まってくる。
お腹の中心に逃げる事のない欲が溜まってきて、否応なしに認識させられる。
今すぐ自分の手で扱いて気持ち良くなりたい。
こんなに興奮したのは初めての事だった。
悶々とした気持ちに支配されていく。
飢えから体が小刻みに痙攣していくのがわかる。
唾液が咥内に溜まり、それをこくりと喉を鳴らして飲み込んだ。
「ぅ…」
一刻も早く開放したいのに、両手首を背中の後ろで縛られ、身動きとれない状態。
無意識に腰が揺れてしまった。
それを目の当たりにして、余計に興奮する。
少しでいいからこの熱をどうにかしたくて、体を捻っていればぐらっとバランスを崩した。
そして仰向けの状態からうつ伏せになるような体勢になり、べちんと顔をカーペットにぶつけてしまう。
「痛っ…!」
鼻にツーンとした痛みが来て、若干頭がくらくらして来た。
ちょっと強く打ってしまったのかもしれない。
そして先程高められた事により、頭に空気がいっていないのだろう。
頭がぼーっとしてくる。
霧がかかったような感覚に似ていた。
呼吸が段々と乱れてくる。
そして気づいてしまった。
勃起した性器がカーペットに当たって気持ちが良い事に。
「あっ…っ…!」
どうしよう。
体が再度びりびりするような甘くて強い刺激が走る。
目の前がちかちかし、腰が震える。
涎が閉じられない口からどんどん溢れ出て来た。
「くっ…ん…」
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ腰を動かすだけ。
大丈夫、誰も見てない。
これは生理現象だ、自分は被害者だ、仕方ない。
そう思い、ままならない体勢のまま腰をゆっくり動かした。
「あっ…っ、ん…っ!」
びりっとくる快感が腰から背筋に流れ、頭がスパークしたように気持ちが良い。
思わず甘い声が洩れた。
カーペットの生地がザラザラしていて亀頭に当たるのがとても気持ち良い。
すりすりと尖端を押し付けた。
「ひっ…ぁっ…」
(気持ちぃっ…何これ。ぞくぞくする。強く擦りつけるより、腰を高く持ち上げた方が凄いくるっ…)
環は床オナニーの気持ち良さに気づいてしまった。
自らの手でするよりも数倍良い。
「んっ、ふっ…ぁっ…」
絶対衛生的ではないだろう。
室内履きだとしてもトイレに入ったり、色んな人間が出入りするのだろうから。
なのに気持ち良い、凄く気持ち良くて堪らない。
ひとりでした事は数回程度あったが、この行為はこれ程までに気持ち良かっただろうか。
(どうしよう…止まらない)
環は自分の止まらない欲に嫌悪感と罪悪感でいっぱいだった。
社長室で、しかも誰が来るかもわからない場所でだなんて。
なのに若さ故だろうか。
そう思えば思う程に、興奮して、腰の動きが止まらなくなってしまう。
こんな変態である筈がない。
性欲なんてほぼ無いに等しいのに。
自分でするのはあくまで義務的なもので、溜まった物を吐き出す為の行為だった。
それがどうした事だろうか。
男に、しかも自分よりもひと回りもふた回りも年上相手に翻弄された挙げ句、性欲が刺激されてもっと欲しいと思ってしまうのだから質が悪い。
『可愛い…』
涼介のとても低く掠れた声が脳内にフラッシュバックする。
長く大きな手と眼鏡越しに見えるきりっと釣り上がった目元。
薄く形の良い唇が動く度に甘い響きをもたらす音。
羽交い締めにされ、身動きひとつ取れない状況なのに、嫌悪感とは別に浮かびあがる喜び。
自分では到底成し得ない快楽が蘇る。
なんて厭らしくて、色情的だろうか。
涼介の整った顔だちと細い中でがっちりとした大人の体。
「っ…ん…くぅ…っ!」
性器の先端を赤いカーペットに擦りつければ、快楽から背中が震える。
正直、気持ちが良くて堪らないのだ。
涼介の温もりを思い出し、更に環の体がびくりと反応した。
しっとりとした舌としなやかな手の動きが蘇る度に、腰が震える。
ぞくぞくとした悪寒にも似た気持ち良さに覆われた。
「っ…ぁ、はっ…」
あまり体重をかけないで腰を動かした方が気持ち良い為、頭と膝に力を入れ、腰を小刻みに動かす。
そうすると目の前がチカチカする程に気持ちが良く、呼吸が荒くなった。
環の息遣いと身動きの度に擦れる音がいやに大きく聞こえる。
いけない事をしている罪悪感から来るのかもしれないが、火照る熱を逃がす手段が自慰以外見つからない。
恥ずかしくて目に涙が浮かぶ。
こんな事したくないのに、体が気持ち良い事を求めてしまう。
どうしたら良いのかわからず、そして背中で括られた手首も痛いし、変な体勢をしているせいで体が限界とばかりに悲鳴をあげていた。
「っ…」
環はそのままコロンと横に倒れ、悔しくて涙を流してしまう。
何故こんな事をされなきゃいけないのか。
どうして、こんな卑猥な事をしてしまったのか。
そんな思いが溢れ、体を震わせながら嗚咽をもらす。
床に倒れているせいで、普段は気づかない音が耳に直接入って来る。
バタバタと人が走っているような足音が段々と大きくなってきた。
それがこの部屋に近づいている事に気づき、環の思考回路は完全に停止してしまう。
「っ…!」
(誰か来る…!)
2025.03.09
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