意外な事実
クラス編成は平等を踏まえた上でバランス良く組み込まれる為、ブロンズ、プラチナ、ゴールドの階級で分けられるのではない。
出来るだけ多くの可能性を見出す為に、オーディション実力や順位など関係なく、選んだジャンル志望でわかれる結果となった。
ジャンル志望が変われば、クラス移動も行われる為、自分の将来の為にたくさん経験するのもあり。
ひとつの道だけを極めるのも善し。
とにかく多様性を元に作られたクラスなのだ。
「おはようさん。環、どこのクラスになったん?」
海向とドアの前で待ち合わせすれば、もれなく腰巾着の昂輝の姿もあった。
「おはよう。A-2だったよ。…って…おはようございます?」
昂輝に向け挨拶すれば、にっと人懐こい笑みで返って来た。
「堪忍な。海老名が環と話したい言うから、連れて来たん」
昨日とは別人かと思う程に穏やかな昂輝に、環はきょとんとした顔で頷いた。
「昨日は悪かったな。ビビらせたから、謝りに来た。海老名昂輝、よろしくな」
ヤンキーっぽさが抜け、少しだけやんちゃそうに見える。
元々人懐っこい性格なのかもしれない。
何だが昂輝が犬に見えて来て、大型犬に懐かれるってのはこんな感じかなと思うが、絶対本人には秘密である。
睨まれた記憶はあるものの、自分も昨日は冷静ではなかったからお互い様だと思うのだった。
「あ、そっか。自己紹介してなかったんですよね!佐野環です、よろしくお願いします。…そんな謝るような事ないです。むしろ、昨日はありがとうございました。海向も助けに来てくれて、本当にありがとう」
にこっと人当たり良い顔をすれば、昂輝が再び笑いかけてくれる。
再度、海向にもお礼を言えば、綺麗に微笑まれ、本当に格好良いなと環は見惚れるのだった。
「敬語はやめてくれ。あと昂輝って呼べよ。俺も環って呼ぶから」
「わかった。昂輝、改めてよろしく」
2人が握手すれば、海向がうんうんと頷く。
「海向と昂輝のクラスは?」
「俺はA-4で、海老名はA-7」
昂輝の分も海向が答えた。
「そっか、みんなバラバラになっちゃったね」
「仕方ないやろ、志望別やからな」
クラスも一緒だと良かったなと環は思ってしまう。
昨日会ったばかりなのに海向の傍はとても心地良い。
面倒見が良く、気遣いも出来、更には男前で格好良いのだ。
友達になって間もないけど、環の中で海向は特別な存在になりつつあった。
こんなに綺麗なのに、誰よりも男らしい。
まぁ、見た目も中身も格好良いと思っているのは、きっとどこを探しても環だけが感じている事なのだが。
「昼、迎えに行くわ」
海向と一緒にご飯が食べられる喜びに、環は嬉しそうに頷いた。
その姿があまりにも幼く、とても可愛らしくて、海向と昂輝が吹き出したのは言うまでもない。
「あと、昨日はうちの馬鹿が堪忍な…」
海向が何の事を言うてるのかわからず、環は不思議そうに首を傾げた。
「Crownの和空」
その瞬間、環の脳内に昨日の光景が蘇る。
ぼんっと音が出る程に、真っ赤な顔をして狼狽えたのだった。
「あれ…うちの糞兄貴」
その言葉に、環と昂輝が同時に絶句。
「環とのツーショット送ってきよるから、あの後、半殺しにしたったわ」
スマホから画像を探し、環の頬にキスしてる画像を2人に見せる。
そして次に、顔以外を避けて殴った画像を見せた。
海向の宣言通り、和空は見事、ぼろぼろである。
「まぁ、次あったら言うてや。今度は息の根、止めたるわ」
次から次へと来る、あり得ない情報。
環と昂輝が叫んだのは言うまでもない。
海向と和空は血の繋がった本物の兄弟。
2025.04.04
- 51 -
*前次#
ページ: