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独占欲※和空×色生


※脇カプ。和空×色生。


「浮気、じゃないんだろ?さっき、和空がそうはっきり言ったよな。環にした事はあくまで優しさなんだって」

よく見えるように大きくつなぎの上着を開く。
夕陽に照らされ、白くきめ細やかな肌は陶器のように美しく、その中心に主張する薄く桜色をした綺麗な乳首が顔を出す。
和空は色生の胸を触るのが好きで、泣いても嫌がっても弄り続けた為か、一般の成人男性よりも大きく成長してしまっている。
和空の努力の甲斐もあり、人前には出せない程に厭らしく育ってしまったのだ。

「和空は優しいから教えてあげたんだもんな?俺も和空のせいでこんな大きくなっちゃって…人に見せられないくらい厭らしいから…泉水にお願い、してみるよ。こんな外で見せる悪い子にはお仕置きが必要だろ?泉水は優しいから…俺が頼んだら、きっと引き受けてくれるし…」

ぷっくりと主張するした乳首から、目が離せない。
夕陽を浴びて、光る尖端。
上目遣いで挑発するような愛しい恋人。
弧を描き、小悪魔のように紡がれる唇。
そのどれもに釘付けになる。
何て、悪い男なのだ。
普段は絶対しないのに、こんな時だけ誘惑が酷い。
今すぐこの場で押し倒して、いや、壁に縫い付けて、それとも茂みに隠れて、それよりもひと目もはばからずこの男は俺のものだと声を大にして叫びたい衝動にかられた。
喉から手が出る程にむしゃぶりつきたくなる。
愛しくて、可愛くて、憎らしくて堪らない。

「和空、良いよな?」

ふっと試すような視線を送り、ポケットからスマホを出した。
もちろん、今から泉水を呼ぶ為だ。

「………色、アカン」

和空の目に炎がともる。
ぐつぐつと腸が煮えくり返るような怒りが膨れあがった。
真黒な感情に支配される。
この人に触れて良いのは自分だけだ。
あの時の顔も声も仕草も全部、俺だけのものだ。

「何が?あと少しで打ち終わるから、待ってろよ」

和空に視線を向けないまま、泉水に向けてラインを打つ顔が憎らしい。
少しだけ微笑み、先程のような挑発じみた目をしておらず、ただ純粋な顔で操作している。
こっちを見て欲しい。
さっきまで視線が合っていたのに、何で見てくれないんだ。
どんな形でも良いから、目を向けてくれ。
そう願うのに、色生は全く見てはくれない。

「色…やめろや」

泉水に触らせる。
何だ、それは。
自分が環にしたようにさせるって、どんな意味だ。
あんな獣のような目で、舐め回すように色生を見てる男に、無防備なその姿を晒すのか。
自分と同じような、男の目で見てる人間に、その綺麗な肌を許すと言うのだ。
ふざけるな。
そんなの許せる筈がない。
泉水が色生に向ける視線の意味を知って言っているのか。
あれは好きなんて生易しい感情じゃない。
心底心酔しきり、弟のようなポジションに敢えて治まり、油断した瞬間にぺろりと美味しく喰らい付くような男だ。
あんな気弱そうに振る舞っているが、誰よりも獰猛で、恐ろしい存在である。
自分と同じなのだ。
色生に片想いしていた頃と重なる。
そんな泉水に頼んだりしたら、どんなに抵抗しようが、色生が泣こうが喚こうが孕むまで犯される。
目の前に好きな相手が手を出して良いなど甘い言葉で誘惑などされたら、理性なんて吹っ飛ぶだろう。
現に自分がそうだ。
今でも色生に抱いて欲しいって言われたら、妊娠するまで抱き潰す。
気絶しようがどうしようが種子を何度も植え付け、泣いても縋っても離してやれない。
色生がそんな事を言う筈ないとわかっているから、必死に理性を総動員させて耐えているが。
もし、言われてみろ。
二度と他の男なんか見れないように監禁して閉じ込めるだろう。
泉水だって例外ではない。
それくらい色生への想いを拗らせている。
わかってないのだ。
目の前にいる恋人は。
泉水がどんな目で自分を見ているなんて、これっぽっちも気づいていないのだから質が悪い。

「……殺したるわ。そないな事されたら、折川をホンマに葬ったるで」

本気でブチ切れているのがわかり、今度は色生が驚く番だった。
ほんの冗談のつもりだったのだが、どうやら本当にこの恋人は独占欲が強いらしい。

「なら、俺がどんな気持ちだったか、わかるだろ?凄く悲しいし、辛かった…。だから、二度としないでくれ」

そう言われ、和空がはっとする。
そうなのか。
色生はこんな苦しい思いをしていたのか。
自分の浅はかさに嫌気がさす。
心配のあまり、周りが見えてなかったのだ。
大切な人を傷つけてしまうなんて、まだまだ修行が足りない。

「堪忍や…、死んでまう…。色が泉水になん触れられたら、狂ってまう…。俺が悪かった。許してくれへん?頼むから、俺以外となん、冗談でも言わんといて…。ホンマ殺してしまうわ…」

泉水の上着を整え、晒された乳首を隠す。
スマホを出にしていた手を優しく包むようにそっと掴んだ。
自らの口元まで運ぶと、触れるだけの口付けを落とした。

「ん…、わかったなら…許す。でも次はないからな」

色生が少しだけむくれたような顔をする。
普段大人っぽく、男前な恋人が唯一甘えてくれる時だ。
これを見れるのも自分だけ。
そう思うと先程までの黒い心が洗われるように晴れていった。

「愛してるで…」

蕩けんばかりの微笑みで色生を見つめる。
何度も手に口付けし、色生の瞳に甘さが宿れば唇にキス出来るチャンスだ。

「色…今夜、泊まってっても…ええか?」

その答えは色生からの口付けで返される。
触れるだけのキス。

「…堪らんなぁ…、ホンマ、頭おかしくなりそうや…」

ふっと嬉しそうに微笑む和空は、色生の頬を両手で包み、何度も口付けをする。

「ん…」

色生の甘い吐息に、背中がぞくぞくと痺れる。
何度求めたって、何度交わしても足りない。
早く同棲したいなと思うのだった。


自分の立場にならないとわからないやつ。


2025.03.20

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