お休み
結愛がぐったりとベッドに横になっていると永久が戻って来た。
「少し無理をさせすぎたかもしれませんね」
ベッドへ腰掛け、結愛の顔を覗き込んだ。
「僕がずっと側にいてあげれれば良いのですが、生憎仕事が入ってしまって…。君を一人にするのが心苦しいですが、ここなら安全なので、夜まで好きなだけ僕の部屋で過ごして下さいね」
そう言って、永久は結愛の額に口付けを落とす。
(え、は…?夜までって事は、俺はここに居なきゃいけないのか!?え、こんな高級感溢れる場所で、どんな顔して過ごせば良いんだよっ!安全って…ここから出たら、ヤバいの!?つか、風紀の仕事あるなら俺も行かないとダメなんじゃないか…?)
「ふふ、考えてる事が全部顔に出てますよ?本郷くんは休んでて大丈夫ですから。僕から上手く皆に伝えておきますね」
永久は再び、結愛の唇にキスをする。
「え…?ん、ぅ…」
突然の事に考える暇を与えず、永久から優しい口付けが繰り返される。
結愛は自然と瞼を閉じ、それに応えた。
すると惜しむように、永久の唇が離れて行ったのだ。
「これ以上すると、風紀の仕事したくなくなるので、…すみません」
永久が眉を下げて、申し訳なさそうに呟く。
結愛は上目遣いで自分に覆い被さる彼を見上げた。
「…参りましたね。そんな可愛い顔をされると、本当に歯止めが効かなくなりますから…」
「え?いや…、そんなつもりは…」
結愛は顔を真っ赤にして、掛け布団で顔を隠した。
この甘い空気がどうも居心地が悪いと言うか、ドキドキしてしまい居たたまれない。
「ふふ、本当に可愛くて、閉じ込めておきたくなりますね。使いには小林くんを寄越しますから、お昼の心配はいりませんよ」
布団を被る結愛の腰を労るように撫で、永久は部屋を出て行った。
(いやいやいや、突っ込みどころ満載なんだけどっ!!だから、俺は風紀なんだから学校戻らないとダメなんじゃないのか?……え、つか、ここで夜まで何して過ごすんだよ…)
結愛は呆然とし、永久のいなくなった方をただ見ていた。
どのくらい時間が過ぎたのだろう。
体が怠くて、気づいたら寝てしまっていた。
時間を見れば午後二時を過ぎており、そう言えば永久が言っていた言葉を思い出す。
「あ…、小林、来るんだったっけ」
そんな事を思っていたら、インターフォンが鳴った。
結愛は千尋が来たと立ち上がろうとするも、足腰が震えてなかなか立てない。
「え…、は???何で…!?」
意味がわからないと再度チャレンジするも体が重く、思ったように動けずにいた。
それもそうだろう。
永久に何度も逝かされて、初めての前立腺攻めをくらったのだから。
少し寝たくらいでは体力も立ち上がる力も残っていなくて当然だったのだ。
それらを見越して、永久は結愛に風紀の仕事を頼まず、様々な理由で横になっていると皆に伝えていたのである。
「マジか…」
結愛は必死に足を動かし、ベッドから降りた。
当然の事ながら、ガクンとその場に尻餅をついてしまう。
臀部を少しだけ打ってしまった為に撫でていると、いつの間にかインターフォンが鳴り止み、カードキーが解除される音がした。
永久が帰って来たにしては、おかしい。
わざわざ自分の居室へ入るのに、鳴らす必要があるのか。
そんな風に考えている内に、ひたひたと足音が近づいて来た。
体育座りをするように尻餅をついた結愛は、それでも立ち上がろうと足に力を入れる。
そうこうしてる内に、寝室のドアが開いたのだった。
「本郷…、大丈夫…か」
入口にいたのは、コンビニの袋を持った千尋であった。
結愛の姿を確認するやいなや、驚きに目を見開く。
「お、おい!!そんな所で踞って、どうしたんだ!?」
正確には尻餅をついているのたが、千尋からしたら具合が悪く踞っているように見えたのだ。
「悪い、ちょっと立てないから、手を貸してくれないか?」
結愛は苦笑いをし、千尋へと手を伸ばす。
すると千尋はその手を通りすぎ、結愛の脇と膝裏に腕を回すと軽々と持ち上げたのだった。
「……は、え!?」
結愛は浮遊感と、いきなりのお姫様抱っこに驚き固まる。
「本郷、痩せすぎだ。もう少し太った方がいい」
そう言って、突然のようにベッドに座らされたのだった。
(何だ、この筋肉。小林、ムキムキじゃん…。俺も腹筋をシックスパックに割りたい)
2024.12.31
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