4
ウィルが紫を熱い眼差しで見つめ、再び口を塞ぐように貪り続ける。
舌を絡めて、指の腹で突起を摘み、逃げないように後頭部をもう片方の手で固定して、何度も角度を変えて唇を奪い続けた。
互いの息遣いと舌を絡ませ合う水音が室内に響き渡る。
自分よりも体も年齢もひと回り以上小さな甥。
まだ子供なのに、そんな子に対して物凄く発情してしまっている。
初めて会った時、それは自分の兄が子連れ再婚結婚したと知らされた日だ。
しばらく音信不通で、ようやく連絡が来たと思えば、日本人の女性に一目惚れしたと。
結婚するからこっちには戻れない。
そんな電話ひとつの報告だった。
納得行かなくて、会いに行ってみれば女の方はバツイチだと言う。
しかも子供までいて、その子を自分の子の様に愛すなど抜かすから、取っ組み合いの喧嘩になったのは遠い昔の記憶だ。
兄の結婚相手は驚く程に美しく、そして感心するくらいに気さくだった。
すぐに打ち解けて、結婚を祝福する事が出来て、そんな彼女の後ろにおずおずと隠れていたのが紫だ。
とても小さく、上目遣いで、きーす、きーすが2人いるの、なんで?なんて可愛く聞くものだから、虜になるには充分だった。
可愛くて可愛くて、目に入れても痛くない程に愛しくて、そんな甥に手を出す日が来るなんて思いもよらず。
「ユカ…良いのかい?俺達は家族だ…そんなきみを抱いてしまうかもしれない。今ならまだ引き返せる」
ウィルは理性を総動員させて、出来るだけ叔父の顔をして紫に話しかける。
紫は目を潤ませて、とろんとした蕩けた顔で男を見つめた。
その視線だけで、道を踏み外しそうで堪らない。
こんなに大切なのに、手を出してしまう自分がいる。
「うぃる…」
紫が甘い声で名前を呼んだその時、玄関のチャイムが鳴った。
「っ!?」
2人同時にハッとし、玄関の方へと視線を向ける。
そして我に返り、ウィルは大きく息を吸い込んだ。
「ユカ…、すまない。きみを手籠めにしそうになった。俺は叔父、失格だな…」
そう傷ついた顔をし、紫から離れる。
「俺達は家族だ…。今の事は忘れてくれ」
そう今にも泣きそうな顔で言われ、紫の胸が押し潰されそうな程に苦しくなった。
離れていくウィルに何を伝えたら良いのかわからず、紫は未だにずくずくと甘い熱に侵される胸の突起とお腹の奥の方から響く疼きに気づかないふりをする。
そんなウィルの背中を見て、心にぽっかり穴が空いたような気がした。
今の紫にはそれが何なのかわからず、心がもやもやして苦しくなる。
(兄弟なのに全然父さんと違う…。いつものうざいくらいのウィルじゃなくて、別人みたいだった…)
2024.08.07
- 10 -
*前次#
ページ:
今日:38 昨日:14 合計:10527