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「クッククク…、何だ、テメェ等…俺の知らねぇ所でデキてたのかよ」
肩を震わせて、爆笑してるのは風紀委員長の鬼頭祥龍。
ドカリと巨大なソファーに一人だけ腰掛け、細眉、筋肉質、目つきも柄も悪い、おまけにツーブロックの髪型ときた。
そこら辺のヤクザやチンピラなど相手にならないんじゃないかと思わせるくらい、人相が悪く、言葉遣いも悪い。
「だから…、違がうと言ってるだろ…誤解だ、誤解…」
泊は呆れながらも風紀委員室へ呼ばれてる状況に困り果てていた。
「まさか、天下の会長様が女役とはねぇ…ブハッ!スッゲェ、ヤベェな…!!」
堪らないとばかりにお腹を抱えて、笑いまくる祥龍。
「もうその辺にしてくれ…。こう言う話題は冗談でも好きになれない」
勘弁してくれと自らの顔を手で覆い隠した。
「昔からその手の話は嫌いだったもんなぁ?天下の会長様のお相手はいつ現れるのか楽しみにしてんだが、こんな所にいたとはなぁ?」
愉快、愉快と言わんばかりに普段の鬱憤を晴らすかのように、泊をからかい続ける。
「…はぁ、もう良いだろ。それよりも何で俺達がこんな所に呼ばれたんだ?」
本題とばかりに、生徒会長と書紀の二人が風紀委員室へ連れて来られた疑問について投げかけた。
「あ?そんなの決まってんだろ、コイツに用があんだ。テメェはおまけだ、おまけ」
祥龍はハッと馬鹿にしたように笑い、泊にシッシッと遠くへ行けとジェスチャーする。
「……」
成はまるで興味ないとばかりに、その場を去ろうと祥龍へと背中を向ける。
「オイ、クソガキ、何帰ろうとしてやがんだ」
チッと舌打ちして、目の前にあったスマホを投げつけた。
するとそれを瞬時に泊がキャッチして、祥龍を睨みつける。
「鬼頭、危ないだろ!富樫に当たったら、怪我どころの騒ぎじゃないぞ」
真正面からならまだしも、背後から狙うなど、卑怯者のやる事だ。
そう言わんばかりに、怒りを滲ませていた。
「ハッ!お優しい事で。さすが誰からも慕われる会長様だな、俺みたいな奴には全く理解出来ねぇけど、なぁ?」
ゲスの極みと言うのはこう言う人間を言うのだろうか。
祥龍の事は嫌いではない。
たが、今の彼は好きになれなかった。
「鬼頭、いい加減にしろ!」
泊が珍しく怒りを表す。
ツカツカと足早に祥龍への近づき、スマホを目の前に突き出した。
「ククク…面白えなお前、俺がどんな事をしてもこんな風に感情を剥き出しにした事なんて無かったのに…そんなにコイツが大事か?」
ピクリと泊のコメカミが動いた。
相当お冠な様子だ。
「わかりやすいなぁ…、でも安心しろよ。俺が用あんのはコイツじゃねぇから」
そう言ってスマホを受け取り、挑発的な目で成を見る。
すると今まで何の感情も出さなかった少年が、ゆっくりと振り返った。
「テメェの隠してる隊長…出せよ」
今までからかって、面白がっていた祥龍が、初めて威圧感を出したのだった。
ビリビリっと室内に走るそれに、泊は何の事かわからなかったが、少しでも発言したら殺されるんじゃないだろうか。
そんな風に思う程に、黒い闇に包まれていたのだった。
果たして、これはどちらの殺気だったのだろうか。
2024.09.11
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