tori


8※R15


※R15、下品な表現、喘ぎ少々、モブ同士の絡みなどあり。


古い木造校舎の前に来ると、声がより大きく聞こえた。
早くも平はここへ来てしまった事を後悔し始めたのだ。
何故なら、呻き声だと思っていたものは想像していたものと違い、艶のある喜びの声だったから。
経験がなくなってわかる。
そう、これはまさに最中である、あの行為独特の声なのだから。
はっきり言えば、セックス。
何がって、ここは男しかいない学園であり、更には元々は無人島だ。
女が入り込めるなんて思えないし、まずセキュリティの問題で部外者が島に入る事すら出来ないだろう。
だとしたら、そう言う事なのだ。
男同士が致しているのたろう。

「あっ…あんっ…あぁん、気持ち良いぃ…!もっと…あぁっ、ぁん…、あ、っ…もっ…と、突…いてぇ…!!」

(はい、気持ち良さそう。はい、合意。はい、女役が喜んでるやん。)

「くっ…、こうかっ…、はっ!…この淫乱がっ…!!」

(はい、お互いノリノリ。めちゃくちゃプレイ楽しんでるやないの。)

「あっ…あん、あっ…凄ぉい…っ!!やぁ…っん、あん…、奥に…当たるぅ…ひあぁぁ!!!」

(もうAVやん、なんなん?自分らイチャイチャやないの。)

そう平が思い、落胆していれば、カサっと背後から物音と人の気配がした。
ヤバいと感じた平だったが、一瞬にしてその人物に背後を取られてしまう。
フワッと香るコロンの匂いを感じれば、真後ろから抱きしめるように顔を覗かせ、耳元に唇を寄せたのだったり

「初めて見る顔だね?こんな所に、何しにきたのかな?」

吐息混じりの優しい低音ボイス。
ビビビっと脳天が痺れる程の色っぽさに、平の下半身が反応しなかった事を褒めてもらいたい。
これで自分が女子だったら、下世話な話だが、腰を抜かして、いわゆるその気になっていただろう。
それくらいとても艶っぽくて、甘い声だったのだ。

「っ〜…!!!?」

平は今にも悲鳴を上げてしまいそうな気持ちを必死で抑えた。

「へぇ…?この声を聞いても…君は大丈夫なんだね?珍しい事もあるものだね」

フフっと優しく微笑む声すら、艶っぽい。
正直、勃起しそうだ。
して良いよと言われたら、すぐさま出来るだろう。
まぁ、そう言われて器用に勃つものでもないのだけど、物の例えである。
そして平は思った。
性欲無い方で良かった、と。

「ここは一般の生徒はあまり近づかないんだけど、何故、君はここに…いるのかな?」

ん?と優しく質問してるが、有無も言わさぬ圧力に、平の背筋に悪寒が走った。
こレンくんは答えによっては葬られるやつだと。


「もしかして、あの子達みたいにそう言う事を期待しに…来たのかな?」

ブワっと色気が更に増し、背後にいた男に体を反転させられる。
太陽の光がキラキラと反射し、平は眩しくて思わず目をつぶった。
手首をグッと掴まれ、影が出来たと理解した瞬間、それが先程声だけ聞こえていた主だったのだ。
目の前に男の体があると理解したものの、抵抗する暇も与えられず平は呆気にとられた。
その一瞬が致命的になったのだろう。
顎に指を添えられ、唇にふにっとした柔らかな感触が。

「…ん?」

平が目を勢い良く開けば、きめ細やかな白い肌と、男にしては長い睫毛が見えたのだった。
唇に感じる温かなぬくもり、そして先程よりも強くなったコロンの香り。
目の前の男は自分と同じ高さまで腰を曲げ、無理のない姿勢での拘束の為か、平の体勢は苦しくない。
触れては離れて、何度も唇が重なり合う事で自分がキスされているのだとようやく気づいた。

「っ、つっーー!?」

平は目を大きく見開き、男を突き飛ばそうと両手に力を入れるも片方の手首は掴まれており、かろうじて動かせるもう片方の手で相手の胸元を強く押し返した。
だが手のひらに感じるのは良い匂いのコロンの香りとは真逆の、鍛え抜かれたであろう硬い胸板だったのだ。
手のひらからも感じる筋肉質な肉体美。
指から伝わる体温と共に、相手の心臓の鼓動が響く。
触れただけなのに、胸筋が鍛え上げられており、腹筋も割れているだろう事が容易に想像出来た。

更に次の瞬間、物凄い力で引き寄せられ、その引き締まった肉体に抱きしめられたのだ。
その間に建物から聞こえる喘ぎ声がどんどん大きく甘いものになっていけば、終わりと言う名のフィニッシュに近づいている事が伺える。
男はリップ音を鳴らし、わざと平の反応を見てるかのような何とも言えない空気に、ただ異色なまでの不気味さを感じていた。
ようやく長く感じた口づけが終われば、大きな手でゆっくりと頭を撫でられる。

「フフ…、柔らかくて、気持ち良い唇だね…。ずっと触れていたくなるものだね。…ちょっとだけ、僕に…協力してくれるかな?」

緑色の綺麗な瞳で微笑まれ、自分は男なのに、目の前の美形に翻弄されるのがわかった。
あまりの色気に頭がクラクラし、先程の柔らかな唇の感触に胸がドクリと高鳴る。


ファーストキスの相手は、名前も知らない超絶美形色気駄々漏れエロボイス男でした。


2024.09.23

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