tori


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「お前は可愛いな…。部長と言う立場を忘れて、このままさらいたいぐらいだ」

エロボイスでヤンデレ発言来ましたぁぁぁぁ!つか、部長だったんだね、昔にプレイしたゲームだったから、王子様以外の設定を忘れてたよっ!お前何歳だよ、何でそんなに格好良いんだ!しかも、さらいたいって、誘拐だからね?オカン、俺は今日、歩いてはいけない道に足をつけそうですっ!誰か、この美味しい状況を…じゃなかった、この大変な状況をどうにかしてくれぃ。

「ぶ、部長…俺にはハイスペックなヤンデレ、じゃなかったっ。ハイスペックなイケメン彼氏がいますでござるぅぅぅ!あの、だから、これは個人的には嬉しい、じゃなかったっ。これはめちゃくちゃヤバイんですよ!」

慌てて低音エロボイスの手を引き剥がそうとするも、結愛のお腹に両腕が回っており、隙間もないくらいに密着していた。

何だと…文科系でこの厚い胸板?腹がシックスパックに割れてんじゃねぇかよっ!何だよ、これ、ご褒美かよっ、最高じゃねぇの!って、喜んでる場合じゃねぇぇぇぇっヤバス、本気でヤバイよっ!!ヤンデレイケメン彼氏の王子様に見つかったら、俺は監禁飼い慣らしルート突入しちゃうから!完全なるバッドエンドだからねっ

バタバタと抵抗を示すも、蘭の腕は一向に緩まない。
それ所か、更にギュウっと抱き締められた。

「ひぃいぃぃぃ!!?」

こんな地獄のようなご褒美いらんがなっ!関戸矢、君とは右京と会う前に会いたかったよ…。昔の俺はこの魅力に気づかなくて、ちゃんとプレイしてなくてごめんね。家に帰ったら、ちゃんと攻略するから、許して下さい。

そんなアホな事を考えていたからか、うなじに柔らかな感触とリップ音が響く。
それが蘭の唇だと気づく前に、ゾクゾクと背筋に痺れのようなものが走った。

「あっ…んっ」

何故かわからないが感じてしまい、その場に似つかわしくない甘い声を出してしまった。

「!」

それがよくなかったのだろう。
背後の息が急に荒々しくなり、ゴクリと喉を鳴らす音が聞こえた。

「や、部長っ…?…え、嘘だよね、こんなまな板のような胸もない男の俺に、男前の関戸矢蘭が欲情なんかしちゃわないよね!?」

手足をバタつかせて逃げようと試みるも、全く歯が立たない。
背後の低音エロボイスの呼吸がどんどん激しくなり、それが興奮しているものだと気づいた頃には、時既に遅し。

「彼氏がいるのと、俺がお前を好きな事に、理由なんてあるのか?」

突き刺すような鋭い瞳。
ギラギラした目をし、蘭の顔が近づいて来る。

ああ…肉食獣に睨まれた獲物の気持ちがわかった。


フラグがたった。


2024.07.30

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