tori


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新聞部ではパソコンのキーパッドを叩く音が高速に繰り広げられていた。

「みにーくん!!偉いこっちゃで!偉いこっちゃ!!こないスクープどないしたらええんや!?まさか、あの高嶺の花の副会長とイケメン転入生くんがちゅーするなん、こんなご馳走あるなんて思わんやん!?」

関西弁で息もつかぬ速さで語るのは、新聞部部長の美作みまかさ美樹よしきだ。
黒髪のマッシュルームヘアーで、前髪で目元は隠れ、その下にあるのはそばかす。
ニヤニヤを隠しもせず、興奮しきった顔でこの部屋に居るもう一人の青年に声をかける。

「……、…。……、…、…」

みにーと呼ばれた青年こと、新聞部副部長の烏丸からすま一二三ひふみ
ブレザーの下に、黒いトレーナーを着ており、フードを目元が隠れる程にかぶっている為、顔がよく見えない。
背後からは禍々しい空気が宿り、黒魔術でもしてそうないきおいである。
爪には黒いマニキュアを塗っていて、背中を丸めて椅子に座っていた。
彼は素早く口を動かし、美樹に何かを伝えているのだが、恐ろしく声が小さい為に、全く音になっていない。

「そやろ、そやろ!さすがわかってるやないか、みにーくん!!これは放課後までに記事にせな、あかんよな!!ほら、張り切るでぇぇ!!」

美樹は嬉々として、指の速度を上げて打ち続ける。
一二三は一生懸命、身振り手振りで伝えているが、そんな姿を気にも止めず、ゴーイングマイウェイ状態の美樹。

「っ…、………。…?」

一二三の声なき声に、美樹はうんうんと頷く。

「この角度最高やねんな!我ながら、えぇ角度で撮れた思うで!みにーくんは褒める天才やな!!」

首を必死で横に降って、まるで違うと言わんばかりの一二三。
そんな彼をまたもや気にした風でもない美樹。
2人は上手く会話してるように見えて、実の所全く噛み合ってなかったのである。
全部、美樹の勝手な解釈で会話し、一二三の声は届いているようで届いてなかったのだった。


その夜、変な夢を見たのだ。
ここに来て、長かった1日がようやく終り、ふわふわした心地の中ではっきりと覚えていた。
カタカタとキーボードを押す音と共に、視覚に入り込む文字。
夢だから、自由なんだけど、変な違和感があった。

小鳥遊柳 15才
トリップ1日目終了
ルート:未定
攻略対象:未定
属性:流されビッチ
タイプ:受
データ:オートセーブ
※今後の攻略次第で選択肢増。
Endには友情、総愛され、恋人、総受、総攻あり。バッドエンドにならないよう、ハッピーエンド目指して頑張りましょう。

公式サイトにて、新シリーズ強くてニューゲーム制作中です。こうご期待。

「って、これ、何っ!!!??公式サイトってどゆこと!?どこにあるだよ!!ビッチって何!?!受って何!?全然わかんないんだけど!!つか、オートセーブって何だよ!!」

思わず突っ込まずにいられなかったのは言うまでもない。


2024.07.22

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