1
一面お花畑の中で、2人の子供が小さな手で花冠を作っている。
互いに隣り合わせに座り、顔を合わせてにこにこと微笑み合っていた。
「◯△ちゃん、ぼくね、おおきくなったら、◯△ちゃんとけっこんしたい!!」
黒髪の男の子がそう伝えれば、栗色の髪の女の子が頬を染めて恥ずかしそうにはにかんだ。
「うん、…やくそく」
色素の薄い、フランス人形のような容姿をした女の子が答えれば、黒髪の男の子が嬉しそうに脚をばたつかせた。
「なぎくん、じゅうろくさいになったら、かならずけっこんしようね」
可愛らしく小首を傾げる姿は、何と愛らしい事か。
「◯△ちゃん、だいすき」
そう言って、男の子は女の子の唇にチュッと可愛らしくキスをしたのだった。
ー
ーー
ーーー
ぱちりと柳の目が覚める。
まるでおとぎ話のような、可愛い夢を見たなと思い、起き上がった。
掛け布団のカバーの肌触りが良く、こんなの使ってたかなと、首を傾げる。
辺りを見渡せば、見慣れた自室ではなく、白とグレーを基調とした清潔感ある雰囲気が漂っていた。
「え…?ここ、どこ?」
家具も高そうなものばかり置いてあり、このベッドですらシングルではなくダブルサイズである。
自分の部屋にしては広すぎる空間に、滝のような汗をかいたのだった。
(ちょっと待って!あれ?もしかして、俺、元の世界に帰って来た!?それともまた違う世界に来たのか!?)
いきなり大きな打撃音と共に、ベッドが揺れる。
「!?」
柳はびっくりして、飛び跳ねた。
まるで隕石でも落ちてきたような衝撃である。
恐る恐るドアの外へ出れば、人の話し声がしたのだ。
「あんた、やっぱ強ぇぇなぁぁ!!早くその澄ました顔、ぐずぐずにしてやりてぇわぁぁ!!」
男にしては少し高い声。
どうやら誰かとはなしているようだ。
「的井くん、お静かに願いませんか?私の大切な主がまだお休みになっているのですよ」
玄心の声がし、安堵する。
ここは彼の部屋なのだと。
柳は早足で声のする方に行けば、玄心の穏やかな声とは裏腹に部屋がとっちらかっていたのだった。
それはまるで強盗にでも荒らされたかのように。
「おいぃい!!妬けるじゃねぇかぁぁあ!!主って誰だよぉぉ!!あんたの上になるのは俺様って決まってんだよぉぉぉ!!相変わらず美人だなぁぁ、織田ぁぁ!!」
そう叫んでいるのは、的井アキラ。
女子顔負けの美しい顔に、漆黒色の髪とボブヘアー。
色白で、線が細く、物凄く小柄である。
只今、床にひれ伏し、玄心の足によって頭をぐりぐりと踏まれてる状態だった。
(え…?何これ?どゆこと!?何プレイなんだよ!??)
「ふふ…、本当的井くんは気持ち悪いですね。まだそのような寝言をおっしゃってるのですか」
玄心は笑顔なのに、何故か真っ黒なオーラを放っている。
どうやら、アキラに対して若干イライラしている様子だった。
「っ、堪らねぇぜぇぇ!!そんな強く踏まれたから、勃起しちまったじゃねぇかぁぁぁ!!!」
頬を赤らめ、恍惚とした表情で股間を抑える。
(えええ!???へ、変態!!!)
2024.07.25
- 24 -
*前次#
ページ: