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「ちょっと、ちょっと、ちょっと〜」
張り詰めた空気の中、間延びした気の抜けるような声が響いた。
「もう、アンタ達、何をしてるの〜?駄目じゃない、なぎちゃんが怯えてるじゃないの〜!」
玄心とほとりが今にも殴りそうな雰囲気なのに、それを気にした素振りなく、2人の間に入って行き、柳を素早く引き離した。
そして壊れ物を触るかのように優しく抱きしめたのだった。
(え…?オカマ?つか、めちゃくちゃ良い匂い!!)
柳は何故かオカマ口調の男に抱きしめられていたのだった。
(つか、めっちゃ美形!!!?は?これがオカマ!?モデルだろうが!!)
そこにいたのは学園の者なら知らぬ人間がいないと言う程に有名な青年、右京真琴だったのだ。
栗色の髪を後ろで1つにまとめ、お団子を作っており、項のおくれ毛がとてもセクシーに見えてしまうマジック。
瞳は青く、肌は陶器のように白く細やかであり、線は細いものの男らしい筋肉のつき方をしていた。
身長も高く、玄心までとはいかないが、ほとりと同じくらいだろう。
「真琴」
玄心から名前が出て、2人が知り合いである事を知る。
「……、右京…」
ほとりも知っているのだろう。
とても面倒臭そうな顔をしたのだった。
「もう、2人して何で仲良く出来ないの〜!なぎちゃん、怖かったわよねぇ〜。でも大丈夫!アタシが来たからには安心よぉ〜」
嬉しそうに頬を緩め、柳の頬に自分の頬をスリスリする。
まるで子犬と成犬がじゃれ合うような姿だ。
「アタシ言ったじゃな〜い!なぎちゃんと一緒に行きたいから来るまで待っててって〜!げんちゃんの意地悪ぅ〜」
なぎちゃんとは間違いなく柳の事だろう。
その証拠に、ずっとスリスリ、撫で撫でされているのだから。
「忘れていました、申し訳ありません」
絶対忘れてないだろうと思える程の清々しい笑み。
「あっ、そうだわぁ〜、挨拶してなかったわねぇ〜。アタシ、右京真琴よ。なぎちゃんの親衛隊副隊長だから、よろしくねぇ〜」
緩い口調だから聞き流しそうだが、柳の幼馴染みと名乗る真琴に驚愕するのだった。
「え、あ?……はぁあぁぁぁ!?」
今日イチ、大声を出す柳だったのである。
(ちょっと待って!親衛隊ってだけで意味がわからないのに、織田だけじゃなくて、右京?って言う奴も副隊長ってどゆこと!?)
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