1※攻×攻
風紀室にて、永久がお怒りモードである。
その理由としては、本来ここにいるべきではない咲雨に連れられた恭介がいたからだ。
「……で?てめぇはサカったこいつに襲われたと?そう、言いたい訳だな?」
永久は眉間にしわを寄せ、唇は怒りからぴくぴくと釣り上がり、頭を抑えていた。
「……」
ほとりはあり得ないものを見るかのように、恭介を凝視する。
副会長である咲雨が狙われる事はあっても、そのどれもが可愛らしい部類に入る見た目の男だ。
それがどうした事だろうか。
男らしく格好良い恭介が襲ったとなれば、そりゃほとりじゃなくても驚くってものである。
実際、永久も頭が痛いと未だに項垂れているし、千尋に関しては理解が追いついていなかった。
「まだサカってねぇから!舌しか入れてねぇし、副会長さん強いから、俺なーんもできなかったつーの」
恭介が唇を尖らせ、ぶうたれる。
「こんな良い男、なかなかいねぇのにさ!別に挿れさせてくれなんて言ってねぇし、ちょっと我慢すりゃ俺の中が最高だってなる筈だったのに…。」
その言葉に、咲雨の顔が般若へと変わる。
「お前っ、ふざけるのも大概にしろ!さっきから気持ち悪い事ばかり言いすぎだ。俺はその手の冗談は嫌いなんだよ」
「冗談じゃないって言ってんだろ!俺はあんたの顔に惚れたの!そのホクロ舐めたいの!ちんこ挿れて欲しいの!」
恭介の下品な物言いに、咲雨が目眩を起こす。
そして永久は目を大きく見開き、ほとりは持っていたiPadを落とし、千尋は顔を真っ赤にして狼狽えていたのだった。
そんな風紀3人の様子など気付きもしない咲雨と恭介は、ずっと言い合いをしている。
恭介から聞こえるワードはどんどんハードになっていき、咲雨がそれに青筋をたてた。
「……ちょっと待て、は?転入生、お前…桜鹿にやられたいのか?」
「あぁ、めちゃくちゃに抱かれてぇ。この澄ました顔が快感に歪むのが見てぇんだよ」
恭介はぺろりと自らの唇を舐め、雄の顔で咲雨を見つめた。
抱かれたいと言うわりには、誘ってると言うよりも喰ってやると言う意気込みが伝わるのは何でなのだろうか。
「…ここにも変態がいたか…。やめとけ、そいつはもう唾つきだ。諦めろ」
その言葉に恭介があり得ないと声をあげる。
「会計が黙っちゃいねぇ、お前、こいつだけはやめておけ。会計は良い性格してるから、あの手この手で可愛がられる事間違いねぇぞ」
この意味の良い性格とは、とても悪い性格と言っているのだ。
性格云々よりも性根が腐っていると言うべきだろうか。
「あそこの親衛隊は過激なのしかいねぇから、お前無事じゃすまねぇぞ。桜鹿に手を出す奴なんざ、腕に自信ある奴か、余程の馬鹿しかいねぇんだよ」
問題は起こすなと言っている事がすぐにわかる。
ただでさえ、色々あって風紀がちゃんと機能していないのに、飛鳥までもが暴走したら学園がめちゃくちゃになってしまう。
「へぇ…、その会計って奴、強いんだ?」
恭介は獲物を見つけたようなギラギラした瞳をし、永久に笑顔で話す。
瞳孔は開き、今か今かと待ち切れない様子が見てとれる。
「やべぇな、副会長さん欲しくなったんだけど」
その言葉に、風紀の仕事が増えるのは間違いない。
2024.08.08
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