クレアとの●●の話8 ルーカスさんの部屋を出ると碧眼と目が合った。 「え?2人ってそういう仲?」 「…………そんなわけないだろ」 茶化すようにかけられたリアムさんの言葉にルーカスさんが呆れたように溜息をつく。 リアムさんは朝食を済ませて部屋に戻るところらしい。 彼は金髪碧眼の童話に出てくる王子様のような外見をしている割に、下世話な話が好きだ。 「女部屋に連れ込んでそんなことないわけないだろ」 にやっと笑いながらいうリアムさんはスパイクさんの次に品が無いが、スパイクさんとは違った整った顔だと嫌悪感はあんまり無い。人間って不公平だ。 「ちょっと話をしてただけだよ」 「部屋に連れ込まなきゃいけない話ってなんだよ」 茶化しながらルーカスさんと話しているリアムさんをじっと見る。目は合わない。 セラードの事よりも、私は、まず、目の前の人達を知るべきなのかもしれない。 「前から聞きたかったんですけど、リアムさんって私のこと嫌いですか?」 「は?」 リアムさんの王子様のような顔が固まる。 ルーカスさんがちょっと驚いた顔をして私を見る。 数秒間の沈黙の後、リアムさんが眉間に皺を寄せて口を開いた。 「…………そういうことって普通本人に聞かないだろ」 「あ、すいません、そうですよね。……でも、本人に聞いた方が手っ取り早いと思って」 ちょっと思い切りが良過ぎただろうか。 ようやく合った目を真っ直ぐ見つめると、リアムさんを気まずそうに目を逸らした。 怒ってる訳ではない様だ。 「別にアンタが嫌いな訳じゃないよ。女ってものが基本的に苦手なだけ」 「……そうですか。私だけ目が合わない事がちょっと気になったんです。変なこと聞いてすみません」 「いや、アンタを無視してたのは事実だ。悪かったな。気にしないでくれ」 リアムさんが気まずそうに目をそらす。 再び沈黙が訪れた。先程より幾分か気まずい。いや、私のせいだけど。 その気まずい沈黙をルーカスさんが切り裂いてくれた。 「リアム、お前今日シフト入ってたっけ?」 「え、いや、今日は俺非番」 「そうか。じゃあ俺らは開店準備あるから」 そのまま私の背中をルーカスさんがぐいっと押す。 押されるままに進んで行く。途中気になって背後を振り返ると自室に入っていくリアムさんの背が見えた。 「どういう風の吹き回しですか」 「どうって……」 階段まで来たところでルーカスさんが私の背中から手を離した。 「今までアイツら自身の事なんて興味も示した事なかったじゃないですか」 「……無関心過ぎるのが良くなかったのかなって思って」 「クロエの話聞いてですか?それともレヴィ?」 「……両方」 言いづらそうに答えた私に、ルーカスさんは納得してない様子だった。 「駄目だったかな?」 「駄目って事は無いですけど、聞き方とかタイミングとかあるでしょう。特にリアムの場合は」 「リアムさん、何かあるの?」 |