戦う魂!
「すごく…食べづらい………」
「美味いか?」
「美味しいけど……」

食べているところをじーっと、餌付けを待つ犬のように下から見つめてくる。
微笑みながら見るのは良いけれど、そんなに下から見られると困る…

「何でそんなに屈んでるの?」
「ん?いやぁ、こうやって見てるとすげぇ唆られるなぁって…♡」
「…!変な感じで見ないでよ…あと、足!くすぐったいっ。」
「はいはい…じゃあ上目遣いしながら食ってくれよ、それだけで抜けるから♡」
「もう!変なことばかり言わないでよ!」

せっかく格好良いって思ってたし、周りの人も少しざわついているのに…
肝心の本人は残念な発言をしている。
真顔でいつも猥らな妄想をしていたりするから、まだ良いのだろうけど…


一旦部屋へと戻り、縁側で日向を浴びる。
鎧を脱いだ黒無常がしっかりと後ろから抱きついてくる。

「なぁ……何だったらしても良い?」
「うーん……このままぎゅーっとするだけなら。」
「………うあーッ…みこ〜〜〜〜ッッ…!!!」

腕だけでなく足も使って、体全身で抱きしめられる。
力が強くて手も動かせない。
黒無常の温もりと匂いに包まれて、とても安心する。
大好きな人にこうして抱きしめられるのって、とても幸せなことだろう。

「みこ…好きだ……愛してる…抱かせてくれ……」
「あと二戦勝ったらね…称号も貰ってだよ。」
「く……誘導出来ねぇか…」
「酷い……っ…私だってちゃんと意思を持ってるんだから!」
「すまんって……俺も嘘をつかねぇようにするからな!」
「そんなにしたいの…?」
「したいって言うより…直接愛せて、一番愛を伝えられて……愛してるって感情が抑えきれねぇんだよ!」
「黒無常のこと大好きだから…だから、もっと格好良いところ見せて?」
「……〜〜〜ッッッ…!!!!!!勿論だ!!可愛いなぁ!待ってろよ!期待は裏切らねぇから!」

更に闘志を燃やしているようだ。
戦うことも好きな黒無常だから、一番は楽しんでほしいという思いもあるけど…

「黒無常、何を捕まえて……あぁ、みこでしたか。」
「白無常!おかえりなさい!」
「ただいま戻りました……こんな所に埋もれていては見つけられませんよ…」

届け物を預けていた白無常が帰ってきた。
髪を一房掴んで、口元へと運ぶ。
きっと無意識的なのだろうけど、心臓に悪いってことを知らないのだろうか…!
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