友達になって
話しているうちにふと気になって腕時計を見ると、あと5分で授業が終わるところだった。

「次の授業は出る?」
「うん、次は数学だし…」
「黒先生の数学、結構緩いよ。」
「…っ!」
「白先生の物理も楽しみよね〜。」
「…!!」
「ふふふ、ごめん、反応が可愛くって。」
「…もうっっ!」
「ふふ……ねぇ、あなたの友達になってもいい?」
「…!もちろん!初めてのお友達が妖刀姫みたいな子で嬉しい…」
「あははっ!妖刀でいいよ。これからもよろしくね。」
「う、うん…妖刀ちゃん…こちらこそよろしくお願いしますっ。」

友好のハグでぎゅっと抱きしめ合う。
花のいい香りがした。
遠くでチャイムの音が鳴り響いている。

「戻ろっか。あ、そういえば席は近いかなぁ。」
「どうだったかな。周りを見る余裕なかったから分からないや。」
「あぁ校内も分からないよね?案内は任せて!」
「ありがとう。」
「ふふ、私、小学からいるからもうあまりクラスメイトとは絡んでないの。だからみこを独り占めしちゃうわっ!」
「わ、私も妖刀ちゃんを独り占め…」
「あぁ〜っ、こんな子を白黒先生に渡すなんて…!特に黒先生は認めないわ!」
「へっ…な、何の話…?」
「みこがお嫁に貰われちゃう話!」
「っ??!!!」
「そうとなれば要チェックね…新しい楽しみが見つかった!」
「うぅ……勘弁してぇ…」

手を繋いで歩いた校内は、こんなにも賑やかで明るいものだとは思わなかった。
それぞれ仲のいい人同士お喋りしたり、ある男の子に人集りができていたり…
半妖たちが集まっていると言っても普通の学校と何も変わらない。

「よぅ、禰宜サンと妖刀姫…?」

後ろから名簿を頭に乗せてきた黒無常先生。

「友達ができたんだな。」
「聞いたわ、先生、同居してるって?」
「おー、そうだ?何か悪いか?」
「みこは渡さないわよ。」
「おー?宣戦布告かぁ?……まぁお前なら安心だな、面倒見てやってくれ。」
「ふふ、もちろんよ。悪い虫は追い払わなくちゃ。」

火花が飛び散りそうな二人に戸惑ってしまう。
頭を撫でながら、笑う黒先生の顔を見て、やっと先生を安心させることができたと思った。
いつも暗かった私を慰めてくださった先生。
とても迷惑と心配をかけていたことは分かっていた。
だから、綺麗に笑う黒先生に思わずときめいてしまった。

「さっ、今日からは内容入るぞ。覚悟しとけよ?」
「そんなこと言って、めんどくさいとか言いふらしてるくせに。」
「う…いーや、こいつがいるからには張り切るぜ?先生はかっこいい方が良いだろ?」
「ソウデスネー。」
「ふ……やっぱり女は笑ってた方がいいな。」
「え…っ…」

気になることを言われたけど、チャイムが鳴ってしまった。
急いで席につく。
妖刀ちゃんの席は斜め後ろだった。
シャーペンでつつかれ、振り向いてお互い照れ笑い。
じゃー始めるぞという声で授業が始まる。
私にも楽しい新たな学校生活が始まった。
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