六.すまんっ!怒ってもいいから聞いてくれ!
そう言って、私の目の前で両手を合わせて頭を下げる黒無常。

「ど、どうしたの…?急に…」
「あ、あのさ…今度の休みの時、お願いしたいことがあってさ…」
「うん?なーに?」
「その……」

聞いても何やら言いにくそうに視線を逸らしてしまう。

「取り敢えず言ってみて?」
「ぅ………今度さ…やりたいことがあってさ…」
「やりたいこと?」
「そ、その…首輪をつけて……全裸で散歩させたいな…って……」
「、、、…………なんて言った?」
「だ、だから…その…みこを……飼い犬みたいに扱いたいなぁ…って…」
「黒無常。」
「は、はい。」
「私に二度と触ることを禁ずる!」
「そ、そんな…?!まだやっい""""ってぇッッッ!!!!!」

肩を掴んで説得しようとする手は強力な結界により、拒まれた。
少し湯気が出ている。

「なぁ…みこ〜……」
「怒ってもいいから聞いて、って言ったのは黒無常だよ!お話聞いたからもう良いでしょ!」
「で、でもさぁ!俺…俺!お前に触れねぇなんて死んじまう!」
「もう死んでるでしょ!」

自業自得のくせにめそめそと泣きながら粘ってくる。

「……何してるんですか?」
「あぁ…弟よ、来たかぁ……お前からも頼んでくれ…」
「…はい?」
「ねぇ白無常聞いて!黒無常ってば頭がおかしいの!」
「それは元からでしょう。」
「酷いぞ!なぁなぁ…お前もさぁ…今度の休みに好きなプレイさせようぜ…」
「あぁ、その話ですか。貴方の言っていた案は通りましたか?」
「しないよ!!何でそんなは、恥ずかしい事しなきゃいけないの?!」
「恥じるのを見ながら楽しむのがいいんだろ!」

ぎゃいぎゃいと僕を挟んで喧嘩をするのはよしてほしい…
どうせ、僕のも通らないだろう…

「あ、白無常もお願いあったの?聞くだけ聞くよ?」
「聞くだけですか?まぁそれでも良いのですが…」
「もちろん、弟のは叶えてくれるよな!」
「んー……まぁ黒無常よりは絶対マシだと思うから…」
「でも僕だけは不公平です、条件を飲んでください。」
「条件?」
「えぇ、僕のお願いを聞けないのなら今ここで調教します。それが嫌なら黒無常の緊縛を解いてくださいね?」
「私に何の得もない…!」
「何か言いましたか?」
「…な、何でも…ないよ……」

笑顔で聞かれてしまえば、黙るしかない。
怖い、本当にしてくるから怖い。

「僕のしたい事は…黒無常の案に追加で、媚薬投与に玩具も挿入したいです。」
「………へ……」
「もちろん、断りませんよね?」
「………は、はい………やり…ます……」

満面の笑みを向ける二人は本当に化け物にしか見えない………
6/20
prev  next