付き人
「お前達!彼女から離れろ!」
「あ?………その銀色の髪は…!レファンドス近衛隊長!?」
「…ってことは……この女が補佐!?」
「やっべぇ…逆らっても何しても不利だぞ!!逃げろ!!」
さすがに私の事は分かったらしい。
慌てて走り逃げていった。
壁にヘタリと背をもたれているミコの姿。
怖い思いをしたのか、少し涙ぐんでいる。
しゃがんで頭を抱けば、抱きついて泣き始めた。
「私が悪かった。君を傍から離すのはまだ危険だな。」
「ううんっ、私もごめんなさい…つい、気になる事を言われると…考え無しに行動しちゃって…」
「ミコは今日のデートは楽しくないのか?」
「楽しいよ…!!でも、やっぱりタウにももっと楽しんでもらいたいから…」
「ミコが楽しいと言うのなら、私は大満足だ。どうしてもと言うのなら、今度は君からのデートプランをお願いしたいな。」
「私からの…?」
「あぁ、今日はもうこの後どこに行こうかは決めている。だから、心配しなくても良いんだぞ。」
「そう…だったんだね……あはは…」
「どうしようか考えてくれていたんだな?それだけで私は嬉しい…だけど、今日も任せてくれないか?」
「…うんっ。タウ、ありがとう…大好き…!」
涙ぐんでいた様子もなくなり、嬉しさに抱きつく力が強くなる。
抱きしめ返せば、満足気に笑った。
気を取り直して立ち上がれば、今度は腕を絡めながら隣を歩き始める。
手を繋ぐよりも恋人っぽい動きに少したじろぐ。
このまま大通りに出れば、誰が見てもその関係性に気づかれてしまう。
「ミコ…付き合っている事がバレるぞ…」
「だって…好きな気持ちが止まらないんだもん…」
「…、………分かった…ただ、ここは手にしよう。」
「指ならバレない?」
満ち足りた表情から不満そうな顔つきになってしまった。
バラしたくないという気持ちが、まだあるのならば腕組みはやめておくべきだ。
小さな手の指を絡めあって、次の目的地へと向かう。
初めよりもご機嫌そうに歩く姿に、愛しさを感じる。
私が尽くしたいと言っても、尽くし返したいと言う。
その気持ちも、もちろん嬉しいのだが、やはり私はとことん尽くし尽くしたい。
そして幸せそうに笑う姿を独占したい。
どんな君も私だけに見せてくれるのなら、それだけで十分だ。
「ねぇねぇ、タウ。やっぱりお返しはしたいの。何が良いかな?」
「そうだな…じゃあ夜の分はリードしてもらおうか?」
「も、もうっ……じゃあそう言うのなら、夜は私に任せてね…?」
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