仕事中も
「ふあっ?!!」
「…!大丈夫か?」
「だ、大丈夫です!ちょっと…足取られただけだから…」
「痛んだらすぐに言うんだぞ。」
先頭を歩く隊長と補佐さん。
補佐さんがどうやら小石を踏んだまま、足を滑らせたらしい。
捻挫していないことを祈る。
しばらく、歩いていれば足を気遣い始めた。
やはり、捻挫してしまったのでは?
「ん……んー……?」
「…………どうした?」
「へっ?な、何でもないです。」
「足が気になるんじゃないのか?」
「う、うぅ……ちょっと痛いかも…」
「捻挫したんだろう……今日は荷台がないからな…何かに乗せてやる事ができないな…」
「いや!別にそこまで痛くないですから!」
「庇って歩けば両足を痛めることになる。だから大人しくするんだ。」
「でも…私のせいで止まるのは…」
そもそもこの道の状態が悪いのがいけないんだ。
そうは言っても郊外だから、整備の手も届きにくいが…
ブーツ越しでも腫れているのが見える。
あのまま歩くのは、捻挫をした足にもそうでない足にも悪い。
近くに休める場所か、運べるような車体があれば…
「…掴まってるんだぞ。」
「へ…?…ひゃっ!こ、こんな…」
「偵察場所まであまり距離もないだろう?君を抱えるのも楽な事だ。」
「うぅ…ごめんなさい……」
「何も謝る事はない…いつも治癒してもらっているんだ、これ位はさせてほしい。」
「はい…………タイウィンさまも足下にお気をつけて…」
隊長が軽々と補佐さんを抱き上げた。
そのまま道案内を続けるように言った。
補佐さんも何の抵抗もなく抱かれている…
何だかこのお二人、ちょっと距離感がおかしくないか?
運ぶのもおんぶで良かったのでは?
俺も怪我して補佐さんに面倒見てもらいたいなぁ…
あんなにも可愛らしい子を隊長が独り占めだなんて、少しばかりずるいと思う。
そりゃあ『隊長補佐』なのだから、隊長に付きっきりだし…
俺達の面倒は隊長が責任を持ってはいるけど…
やっぱり俺達も女の子と喋りたい!!
あわよくば触りたい!!!
「あの辺りですよ、気の荒いモンスターもいるみたいです。」
「そうか、気をつけねばな。」
「あ、あの…そろそろ降ろしてもらっても…」
「………」
「タイウィンさま?」
「迷惑だったか…?」
「…!」
「もっと私に甘えてほしい…駄目だろうか?」
「ううん、そんなことないっ。」
ほらほら、またお二人だけで何か話してる!
何の話かは聞こえないが、俺も偉くなって混じりたいなぁ。
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