心配性
今日はダメだ…どうにも調子がよくない。
痛み止めの薬を飲んだけれど、貧血症状が酷い。
目の前がぼんやりとしていて、視界からも色が失われつつある。
頭も意識が遠のく感じがして、体がフラフラする。
働いているうちにどうやら薬の効果も切れたみたいで、下腹部がズキズキと傷み始めた。
最悪のコンディションだ…

ぼんやりと廊下を歩いていると、巡回から帰ってきたタイウィンさまが反対側から歩いてくる。
少しの間だけタイウィンさまに頼りたい。
最悪な体調に参ってしまった。
お腹の痛みと気分の悪さを抱えながら近づく。
フラフラと近寄れば、腕を広げて抱き止めてくれた。

「うぅ…たう…」
「…?どうしたんだ?」
「お腹が…痛いよぅ…」
「…!腹が痛いのか!?大丈夫だからな、私が傍にいる。」
「…うぅ…気分も悪い……」
「よしよし…大丈夫だからな…」

ゆっくりと支えてくれながら、私に合わせてしゃがむ。
痛みに呻く私の頭を撫でたり、背中をさすってくれたり。
涙ぐむ私の肩を抱いて、体を温めてくれる。
しばらくの間、慰めてもらったおかげか、少し落ち着いた。

「ん…ちょっと楽になったかも…」
「そうか、それなら良かったが…」
「たうはいつも優しいね…」
「そうだろうか?当然の事をしているつもりだが…」
「…また頼ってもいい…?」
「もちろんだ、いつでも言ってくれ。」
「……うん…もう大丈夫…戻るね。」
「他にはないか?私に出来ることなら何でも言ってくれ。」
「うん、大丈夫だよ。ありがとうっ。」
「ん…どういたしまして。」

お礼の意を込めたキスを頬にした。
そうすれば、お返しのキスをしてくれる。
少しは楽になったとは言え、辛い症状はまだ治っていない。
でも、もう少しで休憩時間だし…
報告が終わったら、薬を取りに部屋に戻って…

休憩時間に入る鐘が鳴った。
座り仕事だったから、何とか耐えられた。
薬を取りに部屋へ行こうとすれば、扉が先に開く。
タウが心配そうな顔をして、私に近づいてくる。

「体調不良なら早く言ってくれ…」
「ごめんね…いつもなら薬で何とかなってたから…」
「さっきシュネル様に言ってきた。今日はもう早退して、ベッドで休むんだ。」
「でも……」
「これ以上無理はするな。顔色も悪すぎる。」
「うぅ……」
「もっと甘えてくれ…君が倒れる所なんて見たくない…」

泣きそうになる顔を見て、ずきりと心が痛む。
もう悲しませない為にも大人しく従った。
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