時間
ガチャリと会議室の扉が開いた。
久方ぶりの城内は、歩くのも緊張してしまった…
その上に案内役で騎士方が二人もお付になって、恐慄いてしまった…
入室を促す手に、そろりと入れば、正面にシュネル様のお姿。

「やぁ、待っていましたよ。さぁ、こちらに。」
「は、はい…今日はよろしくお願いします…」
「エダ様、こちらへどうぞ。」
「あ、ありがとうございます…」

タイウィン様によってひかれた椅子に慎重に座る。
その後、向かいにローマン様が座った。

「さて、報告の前に会わせたい人がいるんだけど、大丈夫でしょうか?」
「私に…ですか…?」

まだ私の存在は公表しない決まりだったはず…
まだ王城内に重要な人がいらっしゃったのだろうか?
と、シュネル様の後ろ側から、ぴょこりと女の子が飛び出した。

「初めましてっ、エダさん!」
「…!!!か、隠れていたんですか?」
「すごく驚かせてしまって、ごめんなさい…」
「い、いえ…大丈夫です…初めまして…」
「はいっ、初めまして!私は近衛隊長補佐…タイウィン様の補佐をしてます、ミコと申します。よろしくお願いしますね!」
「……タイウィン様の補佐さん…ですか?あの時には…」
「彼女は元から彼の補佐であり、僕の補佐も担っていたんですけど…色々問題が起こっている間は、離れ離れになっていたんです。」
「エダ様は今、監獄でのあの時を思い出していらっしゃるかと思いますが…」

少々縺れた話を大まかに伝える。
見た感じ、どうやら興味は持ってもらえているみたいだ。
一通り紹介が終わった所で、一旦本題の報告へと移る。
彼女から伝えられた成果は、想像以上に素晴らしい物であった。
予定より早く、民達に朗報を届けることもできそうだ。
あとはこれをどれ程応用していけるか、その方向も考えていこう…
丁寧に事細かく、一人一人の発言があらゆる所に書かれているのは大いに助かる。
…と、真面目な話はここまでにして…

「さて、お互いの話を僕も聞きたいな、と思ってね。休憩時間まで友好会だよ、さっ、二人も座って。」
「…!私、シュネル様の救出劇を聞きたいです!あの時は、彼の側についていたので…」
「………あの時は俺も驚いたもんだ。色々な意味でな。」
「ローマンはミコと会えていたのか?私もその話が聞きたい。」
「制圧まであっという間でしたよね…あの場所にあれ程の人が来るのは、最初で最後でしょうね…」
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