意外性
救出する為に、ラス様が囮となり…その間にメルちゃんに助けられたシュネル様のお話。
同じく捕らえられた身から、解放され脱出口を探している間にエダさんと出会ったタイウィンさまの話。
シュネル様とタイウィンさまとメルちゃんに救われたエダさんの話。
制圧する為に密かに交流していた兵達を収集するまでのローマンさんの苦労話。
そして、彼とリシャさんと逃亡を試みる中、ローマンさんと対峙した私の話…
それぞれの話が繋がり、一つの大きな物語が出来上がった。
あの混乱の中から、こんなにも壮大な話が浮かび上がるなんて…
それからは、エダさんが大罪人となってしまった辛い過去話を聞き…
私達が出会う話をすれば、エダさんはよく笑ってくれた。

「では、皆さんは昔馴染みの仲というわけなんですね。」
「全員身分は違っていたし、僕が何もしてなかったら、ここまで素敵な生活はなかったよ。」
「そうだな。お前の自由奔放がいい結果になったのは、今の環境ぐらいじゃないか?」
「酷いなぁ、もっとたくさんあるはずだよ。」

身の上話をここまでたくさんしたのは、初めてじゃないだろうか?
楽しい時間はあっという間に過ぎて、昼休憩の鐘が鳴った。
別れる前に、エダさんの元へ遊びに行く約束を取り付けた。
集まったついでに、四人でテーブルについて、ご飯を食べる。

「ローマンは本当に大変だったみたいだな。」
「あぁ、兵を集めるのは良かったが、まさか敵側にミコがいるとは思わなかったし…」
「あの時は……そう…私が駄々を捏ねたんです。来るなって言われたけど、無理矢理一緒に行ったんですよ。」
「へぇ……だが、あいつも本当にそっくりなんだなと感じたな。さすが、タイウィンの代わりなだけある。」
「…?リシャさんは『顔だけは瓜二つな傲慢者』って、よく愚痴ってましたよ?」
「そうなのか?いや、俺が言いたいのはお前さんに対する態度だ。」
「………」
「タイウィン、凄く怖い顔してるよ。もしかして嫉妬してるのかい?」
「っ!!も、申し訳ありません。私情を重ねてしまって…」
「え…タイウィンさまって焼きもち…妬くんですか…?」
「…………」
「あはは、あまり聞かないでおこうか。続きは部屋で、が一番でしょう?」
「えぇ、そうですね…できれば、それまでは我慢してほしい…」
「分かった…」

顔を少し赤くさせたタイウィンと、その様子を見て動揺しているミコ。
うーん、本当にお互いラブラブなんだから!
3/7
prev  next