魔法少女に変身☆
「ローマン団長!!南東から大量の機械兵器が!!」
「何っ!?またポリティアからか…!迎え討つぞ!!」
「はっ!!!」

急にバタバタと兵達の動きが激しくなる。
そしてローマンさんも、王の間に駆け込んできた。
どうやらポリティアから尋常ではない量の機械兵器が押し寄せてきているらしい。
それを聞いたタウは加勢しに向かってしまった。
私はシュネル様の隣で、護衛しろと言われたけど…
それってつまり、お城の中で守られていろってこと…
そんなのやだ。
私だって力になりたい!
今こそ、この魔法少女の力を使う時!
勢いよくシュネル様に加勢を申し出ると、力強く背を押してくださった。
ありがとうございます…
絶対、大切な人に傷一つ付けさせない!
タウとローマンさんが向かったおかげか、城の中は空っぽ。
魔法少女になる為の条件の一つ。
【変身する姿を見られてはならない。】
弓を抱いて、守りたい人を思い浮かべ、力を求める。
ぐっと体が熱くなったかと思うと、ぱっとその身は可憐な衣装に包まれた。
弓も心なしか光を纏っているような気がする。
外へ向かう一歩を踏み出せば、驚く程体が軽い。
身体能力の底上げを実感する。
外城壁の上へとあっという間に辿り着いた。
見下ろせば、入口にはまだ外部隊の人しか到着していない。
遠くを見ると、確かに気持ち悪い程いる無数の機械達が列を成して向かってきている。
あれは、私達にとって悪。
魔法少女である為の条件の一つ。
【この力は、悪を殲滅するまで続く。】
この目で認識できる範囲の悪を殲滅出来れば、変身は解けるらしい。
そして、殲滅するまでこの力が枯れることもない。
だから、思いっきり何も気にせずに殲滅だけを考えれば良いのだ。
光の矢を一本引く。
守りたい気持ちが強まる程、光は強くなり矢の存在が大きくなる。
群れの真ん中に向かって力強く、一筋放った。
緩やかな弧を描きながら、群れを二つに切り裂いた。
最後尾まで貫くと、光の矢は弾け消えた。
凄い……これが魔法少女の力……

「な、なんだ?今の光は!?」
「上から飛んできた気がするが?!」
「今着いた!!皆どうした?何か悪事態か?」
「い、いえ!上方から光の筋が飛んできまして!それが群れを引き裂いたんです!」
「それは本当か…っ?」

下では大騒ぎになっている。
一応魔法少女である為の条件の一つに
【外部認識の低下】
が、あり誰も私であると気づかないらしいけど…
降りるには少し勇気がいる!(高さ的に!)
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